習作合評会in福岡に行ってきた

予定の文言が暗号みたいになってますけど、「13:00からの合評会(西日本新聞会館16F)」みたいな意味です。私がわかればよいのだ。

まあそんなわけで「九州芸術祭 習作合評会in福岡」というのに行ってきましたよ。

直木賞作家・東山彰良氏を招いて、参加者の作品を合評。作品は事前送付した中から5作ピックアップ(事務局によるチョイスとのこと)、司会進行も東山先生が行いました。5作は先週くらいに郵送でコピーが届いて、会の中では事前に読んでいることが前提として進められました。

作者から作品の意図などのコメント → 他の参加者からの挙手で感じたことなどコメント → 東山先生からの講評 ってのが各作品だいたいの流れ。以下箇条書きでメモったことなど。

・書き出し大事。書き出しにはインパクトを。

・終わりに対して伏線は無駄がないように。ブレるとよくない。

・小説のリアルと現実のリアルは違う。キャラクターを立てるために現実的でないところまで踏み込んでもよい。

・「読者は説明してほしがっていると考えている作家」と「読者には想像で補完してほしいと考える作家」がいる。

・重要なことはくどいくらい反復してよい。というかむしろすべき。

・戦争を遠景として今を語るのが現代の作家にできる戦争の語り方かも。

・作者の常識は読者の常識とは限らない。調べないとわからないのは不親切。ただし、少しでも補足しておけば十分な場合も多い。

・ユーモアとギャグの違い。ギャグは笑わせたら勝ち。ユーモアは伝え方の一つとして笑いを使う手法。

・シリアスをシリアスじゃないと届かない読者と、ユーモアを交えないと届かない読者がいる。すべての読者に届かせるのは無理。シリアスをシリアスで語ると作家が十字架を背負うことにもなる。笑いを交えると怒りだす人もいる。

・かっこいいタイトルやかっこいい装丁は、一般の人はスルーしがち。シンプルに。ダイレクトに。もちろんこだわりがあるならそのままでもよい。

・既存作品(映画や楽曲)を出すのはキャラクターの印象付けの効果がある。人となりを伝える。どのような趣味嗜好の人物なのか。

だいたいは今までに書いてきた中でぼんやり感じ取ってきたことに裏付けをもらった感じでした。

お昼は天神のベローチェでパスタを食べたよ

なんかもうね、打ちのめされたんですよね。

ピックアップされた5作品のクオリティが高かったというのももちろんあるんですけど、私はわかってるのにできてないやんとかね……。

あと、参加者からの評もちょっと心を乱されました。私が一次の創作文芸で得たいのは「近しい人に伝える」ためであり、「共感」してほしいという気持ちが強い。全く接点のない人からやいのやいの言われるのは(作品のクオリティを上げるためならまだしも)気持ち上の負担がすごく大きいなって。自分語りぶつけられるの勘弁してほしいという共感性羞恥に近いなにがしか。他人に作品を見せたいとも最近はあんまり思わないし、ましてやプロなんて全く目指していない私が行くところじゃなかったなあと感じました。

書くのやめたいなあとしみじみ思ったんですが、やめられないところが業の深いところなんですけれども。

ぼちぼち書きたいときに書きたいだけ書いて、みたいなゆるりと創作を楽しめるようになればいいんですけど、もう私にとって書くこと自体は呼吸(というより排泄)みたいなものですし、長く書かなかったら腕が鈍るし。腕が鈍るの怖いですね。私が語るすべはこれしかないのに。

まあそんなわけでなかなかにへこんで帰ってきました。さて、歌合DVDでも観ましょうかね。

グッドナイト・プラネタリウム観てきた(ネタバレあり)

福岡市科学館のドームシアターで開催中の「サカナクション グッドナイト・プラネタリウム」を観てきました。

先週だったかなあ、1月いっぱいで終わっちゃうって知って、この前の日曜日に出かけたんですよ。このプログラム、夜しかやってないので(主婦的に)出かけづらくて。で、夫を説き伏せて出かけたら、日曜日はチケット完売! あうち!

放映スケジュールとにらめっこして、今日なら行けそうだってことで、観に行ってきたんです。当日科学館に行かないとチケット買えないから、着くまでドキドキでしたね!

観たのは20:30の回。というか今日はこの1回のみ。スペシャルプログラムなので、障害者手帳持っててもお金かかりました。

20時ちょっと手前くらいからドームシアターのロビーに人が集まり始めました。カップル多め、それ以外は女性のグループ、ぽつぽつと一人で来てる人。私も一人でした。ドームシアターのキャパは220席らしいのですが「ほぼ満員なのでお詰めになっておかけください」とのことでしたわよ。

ドーム内が暗くなり、この前感動したドームの建設風景、放映中の注意事項が流れて、始まりました。

タイトルに「ネタバレあり」って書いてますけど、記憶力がアレなので細かいことは書けません。

水に囲まれてる映像、水に落ちるインク、インク逆回し、聞こえてきたのは「シーラカンスと僕」でした。

星がシアターいっぱいに映されて、ボーカル山口さんのナレーション。淡々としたナレーションで読み上げられるのは詩的な言葉。ドームいっぱいの星。星座。星たち。

明るい星のみが残された都会の空が映されて、雑踏の音。道路標識などの都会的な映像が記号的に映され、山口さんのナレーションで「東京」と言った瞬間に始まった「ユリイカ」。

高層ビルが幾何学模様にほどけていきながら始まった「さよならはエモーション」。シンボリックな幾何学模様は人の姿になって走りはじめます。

再び星空。ゆったりと山口さんの語りが入って、「グッドバイ」。しばらく気持ちよくしているとエンドロール。

最後に映し出される「GOOD NIGHT」の文字。

とか順を追って書いていきましたけどね、プラネタリウムのドームシアターで見る映像作品ってすごいですよ。見える範囲ほぼ全部映像なんですよ。没入感が異常。

私はちょっと三半規管が弱くて、平衡感覚が狂っちゃうことってよくあるんですけど、それを差し置いても、浮遊感とか沈み込む感じとか、めっちゃ体感しました。福岡市科学館のドームシアターの座席は、リクライニングではあるのだけど、椅子自体に変な仕掛けとかはなくて固定椅子です。それで! あの! 感覚を!!

割引なくても1,000円のはずなので、機会があればぜひ!
夜しかやってないし福岡市科学館では1月いっぱいで終わっちゃうけど。