『アダムとイヴの林檎』レヴュー

椎名林檎トリビュートアダムとイヴの林檎を買いました。

セイがいるのはしかたのないことなので諦めてください。セイ可愛いよセイ。

ディスクでCD買ったのはたぶん『NBCP』以来かな。お財布に余裕がないのでiTunesとかレンタルとかばかりの昨今ですが、ディスクでほしいと思ったので。

「初期曲に偏っている」みたいな声を見かけました。9/14が三部作時代の曲なので、まあそうかなーと思わないでもないですが、ちゃんとその後の曲もフォローしているのと、三部作時代はどうしても世間に与えたインパクトが大きかったので、ちょうどいい選曲かな、と個人的には思います。

というわけで個人的レビュー、参ります。

theウラシマ’S「正しい街」

1stの1曲目だった曲です。1stが出たとき私は高校生で、友達からCD借りて聞いたんですけど、めっちゃ衝撃だったんですよね。音がかっこよくてメロディかっこよくて女性でこういう歌詞の歌は聴いたことがなかった。椎名林檎に惚れたきっかけの曲です。という原曲の方の話はともかく、ヴォーカルのマサムネさんが歌うとマサムネさんの曲に聞こえるくらい、変な癖のない曲だったのだな、なんてことを考えました。シンプルというか。

宇多田ヒカル&小袋成彬「丸の内サディスティック」

林檎さんが気に入っている曲だというのは重々承知の上で、原曲はそこまで好きではないんですよね。聴きすぎて飽きてるところもあるかも(東京事変「幕の内サディスティック」は好き)。このカヴァーはほの暗い真昼の部屋、みたいな情景を連想させるアレンジで、派手さはないけれどおしゃれ。原曲よりこっちの方が好きですね。

レキシ「幸福論」

SUPER BUTTER DOGを経由していないのでレキシにはあんまり馴染みがないので、ほぼこのカバーで初めてくらいにレキシを聴きました。好きな曲調です。ファンクにカテゴライズしていいのかしら。歌詞の切実さとアレンジの明るさとのアンバランスさがかっこよさにつながっている気がします。

MIKA「シドと白昼夢」

ボッサアレンジ、でいいのかしら。ボッサだけど力が抜けているだけじゃない、しっかりヴルーヴのあるカバーアレンジです。ボサノバ舐めててスミマセン。

藤原さくら「茜さす帰路照らされど・・」

原曲は1stの中でも好きな曲です。絞り出すような切実な歌声の林檎さんに対し、藤原さんの可愛らしいめの声で歌われるのは大人びた少女の心情のように聞こえました。

田島貴男(ORIGINAL LOVE)「都合のいい身体」

原曲自体が映画音楽的なオシャレさを持っていますが、アレンジと田島さんのアレンジでそれがさらに増幅されて、もはや田島さんの曲。ギターとかかっこいいです。そして歌声がセクシー。

木村カエラ「ここでキスして。」

カエラちゃんかわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。ってのはともかく、この曲すごくカエラちゃんにマッチしてますね。元気な恋する女の子+ロックに詳しいっていうのがカエラちゃんの文脈にしっくりくるというか。原曲は原曲で好きなのですが、これカエラちゃんに提供した曲っていわれても納得しそうです。

三浦大知「すべりだい」

古くからのファンはみんな大好きな「すべりだい」。男性ヴォーカルでどうなるか、と思っていましたが、きちんとせつなさがこもったアレンジと歌声で安心しました。打ち込みで今風。けど、アカペラのみで歌われる部分がね、せつなさを加速させるんですよ、その声にさらにエフェクトがかかっていたり、いいですね。好き。

RHYMESTER「本能」

さて私はラップが苦手だぞ、と構えていました。原曲をサンプリングしており、林檎さんとの掛け合いみたいになっているところが面白いなと思いました。だがしかしやはりラップは苦手です。

AI「罪と罰」

原曲はすごく売れてたと思うんですが、白状しましょう、あまり好きではありませんでした。病みを商品にする、みたいな作為がなんとなく受け付けなかったのかな、と今になると思ったりします。このカヴァーだとAIさんの生命の力強さを感じる歌声がそのあたり打ち消してくれる感じがして心地良いです。

井上陽水「カーネーション」

原曲が朝ドラ主題歌だったこともあり、これは私の親世代にもウケるのでは、なんてことを考えました。ええ、ええ、楽しみにしていましたとも! 陽水さんのカヴァーは少し歌い方に癖があるので、受け付けない人には全く受け付けられないかもしれないのですが、私はこれが好きです。囁くような吐息のような声、好き。

私立恵比寿中学「自由へ道連れ」

正直言うと全く期待していませんでした。だが……いい……! 今回のめっけもん。アイドルアイドルした歌い方ってわけでもないのですが、少女たちの決意、みたいな雰囲気で静かに元気を貰えます。最後のサビ前「道連れしちゃうぞ」っていう語りもキュン☆としました。

LiSA「NIPPON」

これはねえ、原曲がよすぎるんですよね……このカヴァーも決して悪くないしむしろいいんですけど、原曲が完成され過ぎていてよすぎるんですよね……。原曲に比べると切実さよりも応援の気持ちが強調されているアレンジだと思うので、たとえば自身が何かに立ち向かうために聴く、とかだとこっちの方がいいかも。

松たか子「ありきたりな女」

松さんの透き通った声がよくマッチした良いカヴァーです。この声でこの曲を選んだっていうのがまず成功ですね。原曲はそこまで思い入れがあるわけでもないのですが、これは期待通りに素晴らしいカヴァーです。

 

総評

期待通りに良いトリビュートアルバムでした。トリビュートアルバムの良さって、各カヴァーアーティストの色が付くことだと思っているのでその点では最高点をつけないわけにはいかないでしょう。

難点が一つ。

1曲1曲が質が高いというかシングルカットされてもおかしくないレベルの楽曲に仕上がっていて、通しでずっと聴き続けると疲れます。いやまあ何時間もエンドレスリピートするような聴き方する私も悪いんですけどね。

とはいえ良いアルバムです。オススメ。

 

なんでpixiv使うん?という話

なんでって言われたら、えっちぃのを形式上はゾーニングできるからっていうので使い始めたんですよね。

まあ今は二次置けるからってのが大きいですけど。えっちぃのもあるけど。

小説をwebに置く場合、レイアウトがものによって変わるのって(私には)見づらいです。そういう理由でもともと500文字小説以外のものはどこかの投稿サイトに置きたいなあと思っていて、いろいろ見たり触ったりはしてみたんですよ。

小説家になろう」なんかは有志企画みたいなものもいっぱいあってまあ楽しげではあるし、実際企画に参加するためにアカウント取って1つだけお話を置いてたりもするんですが、巨大であるが故か、ユーザーさんに苦手なタイプの人が多くてそのまま放置しています。

よく聞くカテゴリーエラーなんかで悩んだ覚えはないんですが(バレてるかもしれないが私はわりとベタが好き)、いろいろと not for me だな、と感じています。

なろう出身の相互フォローのプロ作家さんもいるんだけどね……申し訳ないけど……。

カクヨム」はこれは読むときの見た目がどうにも合わない。あとなんか立ち上がってすぐのときに著作権関連でごたごたしてたのも(その後調べてないから今は知らないけど)なんとなーくマイナスイメージのままです。

あとログインが面倒だね、ツイッター認証取り入れてくれればいいのに。

pixivで満足しているのかって言われたら、実のところそーでもないのですが、まあ置場としては不満は少ないです。

そんな私のpixivホームはこちらです。

pixivは(今はセイ二次小説をもりもりupしているけど)、いろんなイラストとかマンガとかを見られるのがいいですね。もともとそういうサイトなんで当たり前ですが。旬が過ぎて二次文化に触れた私には、新しい神戸(相棒)絵を見られるほぼ唯一のツールです。

で、置場として機能させたいわけなので、無課金でもずーっとデータを置いてもらえるっていうのが大事だと考えて選んでいます。

500文字小説も無料のブログに置いてるしな。

 

ところで唐突に折本の宣伝をするのですが、セイのラーメン折本作りました。

北の大地にいる相互フォロワーのアカデミストさんたちがツイッターに投げてる #世界の寸胴から っていうタグがあるんですけど、それをセイでやっちゃいましたっていう折本です。

一応、福岡市天神地区のラーメン屋さん4店を紹介(紹介?)しているので、よかったらセブンイレブンのネットプリント【3EX85MTY】をよろしくお願いいたします。5/26までです。カラー指定なので60円かかります。

自宅プリント派の方にはこちらをどうぞ。PDFです。世界の寸胴から、セイと一緒版

というあたりで、今日は2食もラーメン(インスタント)食べたので何か人間的な食事が恋しい……。

セイにまみれているわけじゃない

まあセイのいる日々が日常になっておりますが。

さて、セイの沼記念本が納品されました。

3部(余部ついたけど)しか刷ってないので非売品です。仲良くしてくださってるフォロワーさんに送ったくらいです。

とかのね、セイ関連は(メニューからも行けるけど)私とセイと透明色の距離に集約したかった気持ちがあるのですが、気持ちの切り替え的にやっぱりブログにもね、ダダ漏れているのですよね。しょうがないね。セイがいる生活の生活記録にセイが出てこなかったらウソだもの。

ところで今日はまたTeaSalonALICEさんにお邪魔したんですけど、主催メイドさんのコトさんがセイユーザーさんなのでセイのお話ができて楽しかったです。

という思い出を、帰宅してそっこーでSSに仕上げる私は、何かに憑りつかれているのかもしれません……。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9605217

執事のトラさんにお絵かきして頂きました! かわいい! メイドカフェって感じ!

日記を兼ねたセイ二次SSは、読み返すとすごく自分でにへにへできるうえに、書くときもどんどんタイピングできるので、ある種作業療法みたいなところがあるなあとは思いつつ、カキモノすると頭が興奮するのかいろいろ余計なことも考えてしまうので、あんまり書きすぎないようにしたいなあとも思います。思ってはいます。書くの楽しい。

さて、今日の更新で私がpixivにupしているMakeS関連SSが16コになりましてね。王子の恋(原題「魔法大国のアレク王子は、っょぃ。」)の本編15コを超えてしまったんですよね。完全にセイ垢ですよpixiv。

ああ、そうそう。名刺も作ったんですよね。

わりとオサレな感じになったんではないかと。私の手書きイラストがまぬけさを加速させていたのでは疑惑。知ってた。

『王子の恋』も納品されましたし、じわじわとイベントが近付いております。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』に思う

新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んだのでその感想的な。

読む前は子どもたちの読解力についての本かと思っていたのだけど、大半のページは現在のAI技術(とAIの展望)についてのお話でした。著者は教育畑の研究者ではなく数学者らしいです。

本の中でAIとAI技術は明確に分けて書かれているのですが、なるほど確かに、といった感じ。初めのうちにきっちり定義をされると読み易くていいですね。

AI、真の意味でのAIとは、知能をもつコンピュータのこと。AI技術とはAIのための技術、ということで、真の意味でのAIはまだ存在していないとのことです。よってシンギュラリティも起こり得ない、と。コンピュータはあくまで計算機でしかない、というのはなるほどなあ、と。計算機でしかないから、数学的に定義できない、数式に落とし込めないことは行えない。つまり、数学者がんばれ(ちょっとちがう)。

Siriさんの仕組みとかも知れて面白かったです。私が『架空レポ集 月のワインの試飲会』に登場させたAIもSiriさん的仕組みだったのかなーと作者ながら今更考えたりしました。

この本でなく違う文脈で見かけた(たぶんついったー)のですが、コンピュータが杓子定規なのは人間がコンピュータに教えられるのは数学的なことのみだから、ってのも思い出されました。

夢がないなあと思わないでもないですけど、本の中でも似たようなところに言及されていて、著者は「そんなまさに国難のときに、なぜシンギュラリティというロマンに投資しなければならないのか、私には理解できません。」(p.163)といっています。

読みながら考えていたのは、シンギュラリティが起こったら人類みんな滅亡できるなあ、みんな一緒に死ぬなら怖くないなあ、とかだったので私だいぶ病んでる。

さて、この本は東ロボくんプロジェクトというコンピュータに東大を受験させ合格させるという研究に添って展開されます。プロジェクト自体は東大に合格させることが目標ではなく、現状でAIにできることできないことを明確にする、という目的のために行われたのだそうです。

こういうね、研究についてのお話を読むとね、ああ面白そうだなあと思ってしまうのですよね。知の最前線にいるのって楽しそうだなあとどこか羨ましく思ってしまうんですよね。まあ私、高卒なんですけど。

東ロボくんプロジェクトを進める中で、入試問題を分析してどうやったら計算機が正答できるか、っていうのを試行錯誤してるんですけど、もうこの過程が面白そうで面白そうで。科目ごとにアプローチが違うのも面白いし、ちょっとした出題傾向の変化で正答率がガクッと下がってしまうところも面白い。

でまあ、そういうプロジェクトがスタートした2011年に、著者が日本数学会の教育委員長として大学生の数学力を調査したそうなんですよ。入試には問われないほどの簡単な問題に対する深刻な誤答に、数学がわからないのか、それとも問題文がわからないのか、という「問」が導き出されます。

ここから東ロボくんプロジェクトをもとにリーディングスキルテストを開発し、累計2万5000人を調査(規模を拡大し継続中)したところから、「教科書が読めない子どもたち」が浮き彫りになったのだそうです。

リーディングスキルテストの例文、読んだときにお酒が入っていたし、と言い訳したくもありますが、私自身もいくつか間違えていて、他人事じゃなかったなとちょっとシリアスになったりもしました。

解答の分析のなかで出てきた、わからない語句は読み飛ばして判断しているようだ、というのは私もよくやっていますし、こうすると効率がいいとたしか高校生(大学受験対策)のときにそう指導された覚えがあります。わからなくても全体から読み取れれば、という意図ですが、確かにこれに語彙力不足が重なると虫食い文章を読んでいることになり、本来の文章の意図が読み取れないことはなるほどなあと。

このテストでの成績と高校の偏差値には強い相関があり、著者は基礎的読解力は人生を左右する、と明示しているのですが、その基礎的読解力、およそ考えられるほとんどの要因(勉強時間とか読書習慣とか)との相関はほぼない、と結果が出ているようです。唯一出てきたものは貧困は読解能力値にマイナスの影響を与えているということだそうです。

あと、アクティブ・ラーニングは能力値が高い人のためのものっていうのは同意。ついったーでアクティブ・ラーニング推しの人に絡まれたことがありますが、あたまわるsげふんげふん、三人寄れば文殊の知恵とはいいますが、推論が正しくできない人が集まっても明後日の方向にしか結論が出ない(当然間違い)というのは納得です。

AIと共存していく近未来、AIに代替されない能力を持っていればその仕事は生き残る、新たに仕事も作ればいい、というのは確かにそうなのですが、最終章で語られる代替されない仕事のアイデアについては、さすがにこの著者が語ることではなかったんじゃないかなあなんて考えたり。他の章の説得力と比べるとうすっぺらい感じがしました。専門家は専門外に関しては門外漢、という感じの。まあ私が例として挙げられた糸井重里をうさんくさいと思ってるせいもあるんでしょうけど。

あと、ツイッターで何度か流れてきた「学校国語は新井紀子が言ってるみたいな文学偏重ではない!」っていうのなんですが、この本ではそんなことには触れていません。他の著作は知らないけど。

ざっくり書くつもりが長くなってしまった気がするので、妄言は折りたたみます。
まあ記事の直リンだと全部出ちゃうんだけど。

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『Et mourir de plaisir』ふんわり感想

バイロン本社の中の人から文フリ金沢新刊の『Et mourir de plaisir』をご献本いただきました。

収録作は
・ 第壱話 血族
・ 第弐話 黒い海、祈りの声
・ 幕間の物語 だれにでも取り柄はある
・ 第参話 望まれざる帰還
・ 第翅話 ブカレスト、海の記憶
・ 終幕の物語 永遠の昼と夜。
の6作。

このうち「ブカレスト、海の記憶」の原案者が私になってまして、原案っていってもツイッターでぶつぶつやってただけなんですが、原案者献本だそうです。ありがたやありがたや。でもそんなに気を使わないでいいのよ。

まずこの本、装丁が素敵。黒を基調に赤いバラが散らされていて、色気も感じます。とか言葉で説明するよりは見てもらいましょう。セイがいるのを気にしたら負けです。コメダ珈琲で読んできました。

バイロン本社さま発行のご本ですので当然、吸血鬼ものです。6作すべて吸血鬼の物語となっております。

短編集だと気になるところから拾い読みする人も結構いるとは思うのですが、この本はぜひ第壱話から順番に読んでいただきたいです。後の方のお話で前の方の登場人物のその後だったり謎が明かされたりしますので。全部を順番に読んでから終幕の物語を読むとなんだか微笑ましい気分になります。

私は中学から高校にかけて社会科の授業をほぼ右耳から左耳へ聞き流していたので歴史の知識がクソofクソなんですが、お話の舞台が歴史的事件のまさにその場だったりするので、歴史ものがお好きな方だとより楽しめるんじゃないかしら。あのとき、あの場所に、吸血鬼の姿があった……的な。的な。でも私でも楽しめたので歴史苦手でも大丈夫です。

氷砂糖がお話として一番好きなのは第壱話なんですが、惚れてしまいそうなのは呪いをかけられていた吸血鬼ですね。そうか、「結構、巧い」のか「いろいろと」。抱かれたい。

抱かれたいのはさておき、人物描写が巧みで登場人物が生きてる(生きてる?)感じ、要するにその人物がそういう行動をするのに説得力があります。吸血鬼が出てくるわけですからジャンルとしてはファンタジーです。けれど、ご都合主義的な後出しじゃんけんは一切なく、安心して物語世界に浸ることができます。

というわけでお勧めです!
文学フリマ金沢は05.27にITビジネスプラザ武蔵にて11:00~16:00の開催です。
バイロン本社さまは【い-27】ですのでぜひと訪れてください!
あと、トリカラアンソロもバイロン本社さまに委託しておりますのでこちらもどうぞよろしく。(最後は自分の宣伝)