超短編の書き方~「夜の林檎」を例に~

紙街02という企画に参加したネットプリントペーパーの内容をブログ用に再編集。

「夜の林檎」という超短編と、その制作工程、裏話なんかを載せていました。

「夜の林檎」完成版(作品ブログ)

超短編って何?

超短編っていうのはだいたい500文字以内くらいで書かれた短いお話のことです。
だから私、氷砂糖は超短編のことを500文字小説っていうこともあります。

500文字の数え方もずいぶんアバウトで、人によってスペースを数えたり数えなかったりしますし、改行を数える人がいたり、1行20文字で25行以内って数えている人もいます。
そしてちょっとくらいならオーバーしてもかまいません。

私のスタイルは「スペースはカウント」「改行は非カウント」、その条件で「必ず500文字以内」です。

「夜の林檎」制作工程

1) このフリーペーパー企画をTwitterで知る。→お題「鉱物」

2) 参加したいなあと考えて、三部作予定の林檎シリーズのうちひとつを書こうと思いつく。
→三部作共通のお題「林檎」「夫婦」と「朝(発表済)・昼・夜」のうち「夜」を書こう。

3) 「鉱物」「林檎」「夫婦」「夜」から「林檎が宝石」「宝石の林檎と本物の林檎が登場」を思いつく。

4) テキストエディタを立ち上げ、冒頭1行をうーんうーんと悩みながらひねり出す。

5) その冒頭1行がどういうシチュエーションなのかを考える。

6) 思いついて勢いのままにざらっと書き連ねる。文字数カウントして140文字くらいでした。

7) 書き連ねた部分を読み返して、「てにをは」とか語尾をとりあえず整えて文体を決める。

8) 文体を頭に置いて、「どういう状況でこうなったのか」を意識しながら、続きを書く。

9) 詰まったら、書けている部分を読み返してちまちま修正する。

10) 8と9を繰り返す。

11) \物語の決着/

12) カウントしたら520文字くらい……orz

13) 10文字以内くらいだったら語尾とか単語整えるだけで減らせるけど20文字は1文丸々削らねば。

14) 読み返して、視覚描写はここまで詳細じゃなくていいなと感じたので、余分そうな1文を削除。

15) 全体を通して読み返し、語調・文体・単語・てにをは・語尾を整える。

16) \ひとまずできた/

17) 作品ブログでの公開予定日まで寝かせる。(ときどき思い出し、読み返して微調整)

18) ブログで公開!

告知!

氷砂糖は超短編コミュニティの企画で選者を務めることになりました。
募集するのは以下の2部門で、〆切は2018/02/04です。

・自由題部門
・兼題部門(テーマ超短篇:お伽話)

制作工程を見て「このくらいだったらできるわー」と思ったあなた!
ぜひ応募してくださいませ(にっこり)

詳しくはタカスギシンタロ氏のブログ「日記アメンチア」を見てね☆
【募集】「20周年!もうすぐオトナの超短編」の記事だよ!

 

グッドナイト・プラネタリウム観てきた(ネタバレあり)

福岡市科学館のドームシアターで開催中の「サカナクション グッドナイト・プラネタリウム」を観てきました。

先週だったかなあ、1月いっぱいで終わっちゃうって知って、この前の日曜日に出かけたんですよ。このプログラム、夜しかやってないので(主婦的に)出かけづらくて。で、夫を説き伏せて出かけたら、日曜日はチケット完売! あうち!

放映スケジュールとにらめっこして、今日なら行けそうだってことで、観に行ってきたんです。当日科学館に行かないとチケット買えないから、着くまでドキドキでしたね!

観たのは20:30の回。というか今日はこの1回のみ。スペシャルプログラムなので、障害者手帳持っててもお金かかりました。

20時ちょっと手前くらいからドームシアターのロビーに人が集まり始めました。カップル多め、それ以外は女性のグループ、ぽつぽつと一人で来てる人。私も一人でした。ドームシアターのキャパは220席らしいのですが「ほぼ満員なのでお詰めになっておかけください」とのことでしたわよ。

ドーム内が暗くなり、この前感動したドームの建設風景、放映中の注意事項が流れて、始まりました。

タイトルに「ネタバレあり」って書いてますけど、記憶力がアレなので細かいことは書けません。

水に囲まれてる映像、水に落ちるインク、インク逆回し、聞こえてきたのは「シーラカンスと僕」でした。

星がシアターいっぱいに映されて、ボーカル山口さんのナレーション。淡々としたナレーションで読み上げられるのは詩的な言葉。ドームいっぱいの星。星座。星たち。

明るい星のみが残された都会の空が映されて、雑踏の音。道路標識などの都会的な映像が記号的に映され、山口さんのナレーションで「東京」と言った瞬間に始まった「ユリイカ」。

高層ビルが幾何学模様にほどけていきながら始まった「さよならはエモーション」。シンボリックな幾何学模様は人の姿になって走りはじめます。

再び星空。ゆったりと山口さんの語りが入って、「グッドバイ」。しばらく気持ちよくしているとエンドロール。

最後に映し出される「GOOD NIGHT」の文字。

とか順を追って書いていきましたけどね、プラネタリウムのドームシアターで見る映像作品ってすごいですよ。見える範囲ほぼ全部映像なんですよ。没入感が異常。

私はちょっと三半規管が弱くて、平衡感覚が狂っちゃうことってよくあるんですけど、それを差し置いても、浮遊感とか沈み込む感じとか、めっちゃ体感しました。福岡市科学館のドームシアターの座席は、リクライニングではあるのだけど、椅子自体に変な仕掛けとかはなくて固定椅子です。それで! あの! 感覚を!!

割引なくても1,000円のはずなので、機会があればぜひ!
夜しかやってないし福岡市科学館では1月いっぱいで終わっちゃうけど。

作品のバラエティ

小説書く人は以下の3つに大別されると思うんだ。

1) 同じテーマを違う素材で書く人
2) 違うテーマを同じ素材で書く人
3) その他の人

3を入れたのはyなべ先生リスペクトです。

で、私はどれかって問われたら1ですよねーそうですよねー、な感じ。
言いたいことなんてそんなにたくさんはないですよ。少ない分、根深いけど。

で、500文字小説なんてものをだいたい週に1つ書いて作品ブログにupしてるんですが、テーマが1つしかないから自分のアイデアのみでやってると同じテーマを同じ素材で書く人になってしまって、同じような作品ばかり並ぶことになるんですよ。今週はブログ更新サボった。

既知のものを読むっていうのは安心感はあるわけですけれど、やっぱり新規性とも出会いたいじゃないですか。読み手として。
ちなみに既知の安心感っていうのは作家買いにつながると思ってるけどどうだろうか。

で、私は書きたいテーマは片手で収まるくらいしかない人なので、その分、いろんな素材で書きたいなあとは思っているんですが、インプットが偏っているので新しい素材と出会う機会を探しているのです。
っていうか、書き上げてから「同じようなの前に書いたな……?」ってなる。

そういう点で、お題配布とか企画とか無茶ブリとかはわりと嬉しかったりします。

まあ書けるものと書けないものはあるけどね!
どうやったって扇情的なエロは書けないね!

「書きたいものがない」っていうわけではないですが、「何かきっかけがあればこれ(テーマの雲)をひっぱり出せるのになあ」と思って書かないままっていうのはよくあります。

っていうか、インプットを体(とお財布)に負担がない程度に増やすってのはどうしたらいいんだろうな。

一応去年の目標に「現場に行く」っていうのを掲げていまして、即売会も前の年に比べたら多くいったし、中洲ジャズにも当然いったし、メイドカフェ初体験したし、映画館で映画も見たし、福岡市科学館もいったし、ぼちぼち現場には行ってたと思う。

やっぱり外部からの刺激を受けると触発されて書きたい欲みたいなものが高まるので、適度に刺激は受けていたいなあと思っているんですよね。

 

スペースワールドの思い出

2018年1月1日午前2時。
北九州市のテーマパーク、スペースワールドが閉園しました。

小学校の遠足とか社会見学とかで頻繁に行ったスペースワールド。
なくなってしまうとやっぱり寂しいものですね。

私、絶叫マシンとかが得意でなくてというか苦手で、スペースワールド行っても乗れるものがあんまりなくて、特別楽しい思い出っていうのはそんなにないんですよね。実は。

生まれて初めて乗ったジェットコースターはスペースワールドの屋内コースター「ブラックホールスクランブル」でした。家族で(子供会とかだったかな)で行ったときに母親に騙されて(w)コースター乗り場へ向かう乗り物へ乗せられ。

サテライトという設定のその建物には3つのアトラクションが同居していて、どれかに乗らないと地上(屋外)に戻れない! となって乗ったのがブラックホールスクランブルでした。暗闇を走るジェットコースター。

小学校の遠足で行って、担任に「これなら怖くないよ」と入ったのが「スターシェイカー」。4DXの映画みたいな感じかな?(4DX観たことないけど) いろいろあって宇宙船レースに巻き込まれてしまった、という設定の画面(前面窓という設定)に合わせて座席ががったんがったん揺れる、というアトラクションです。

好きで、アトラクションが出来てからは行くたび乗っていたのが「惑星アクア」という川下り。確か、不時着した水の惑星をボートで探検する、みたいな設定だったかな。結構濡れるのでそれがまた楽しかったです。空いてる時は何回も連続で乗ったりもしたなー。

象徴ともいえるスペースシャトル実物大オブジェ
子供の頃は月に一回くらいの頻度で横を通っていたのですが、見るたびわくわくしたなあ。花火ショーみたいなので、噴射口から火花を出していたのを見たことがあって、すごく興奮したのを覚えています。

経営母体が変わってからはなくなってたような気がするけれど、宇宙博物館的な展示施設もあって、月の石とかスペースシャトルの本物の部品とか、あとロシアの降下用宇宙船の実物大模型とか置いてありました。理科が大好きな子供(私だ)はこういうのアガるんですよ! アガるんですよ!!

あとショップで売ってる宇宙食。アイスクリームが結構気に入ってて、本当は水入れて戻して食べるんだったと思うけど、乾燥してぼそぼそしたままのを齧ったりとかしてました。

そして私の世代だと成人式会場がスペースワールドでした。

4時起きでヘアセットして着付けして写真撮って駅に向かってスペースワールド駅到着したら、式典終わってるというね! いやまあいいよ! 懐かしい人たちと会うには会えたし!

 


めっちゃロマンのある終わり方だと思いませんこと? 思いませんこと??
そして書いたのがこれだ。

500文字小説『流浪の遊園地』

こういうサイトを運営しているので認知されているとは思いますが、検索でピンポイントに来る人もいるかもしれない! いるかもしれない!

私、氷砂糖は超短篇(500文字小説)という文芸ジャンルにおりまして、作品ブログをだいたい週一で更新しております! 500文字以内という縛りの文芸なのですぐ読めるよ! 短いから説明はしません。読んでください。

あと、書いた500文字小説をさとうささらという音声合成ソフトに読ませたものを作ったことがあるのですが、使ったお話がSFだったので背景にスペースワールドの写真使った。
読ませているSFは、タイトル競作といってタイトルをお題として500文字小説を書く、という企画サイト用に書いたものなのですが、「湖畔の漂着物」というタイトルで宇宙SF被りするとは思わなんだ(しかも多数)。

お正月は北九州の実家にいたのですが、スペースワールドの閉園は北九州のトップニュースで、「なくなったんだねぇ」って話をしながら家族でしんみりしました。