ウェブ日記

折本作ったよ!

日曜日が終わってしまいそうだけど、折本発行しました。

『空のピアスは彼女によく似合っている』
ネットプリントは【8998ADDG】です。(8/13まで)
PDFは画像をクリックしてね。

ネプリの方はカラーと白黒で選択できるようになっていますが、どちらでもかまいません。
表紙がカラーになるだけです。(カラーだと60円もするからね……)

表紙を見てもらえればわかるように、このまえ福Ade9でお迎えした七歩さんのピアスからの連想物語となっております。
イチャラブにしたかったけどいまいちイチャラブしてない。

というわけで駆け足ですが、今週もブログ更新したがんばった。

物語と現実の間

物語と現実が地続きになっていることが好きで、既刊はそういう仕掛けにしているものがいくつかある。

明日(というか今日)は福Ade9に一般参加の予定なのだけど、スタッフされている七歩さんが出展される予定のアクセサリに物語が付いていて、なんかそういうことにちょっと気付いた。

物語は物語で。
現実は現実で。
別物だから楽しめるっていう人も多いだろうとは思う。
別世界を巡るというか。

私がやった「物語と現実が地続きになっている仕掛け」で一番成功したのはたぶん、「本そのものの存在が作中で仄めかされる」ってやつ。
一番成功したとか言っても、自己満足のレベルなのかもしれないけれど、これは本そのものが好評だったこともあって、やりきった感じが強かった。

「登場人物が書いたものを読んでいる感覚を読者に持たせる」っていうのを(ネタバレを恐れてぼんやりとしか言えないけど)たまにやってる。
これ、フォントの効果を使ったり、形式を整えたりしてやってるんだけど、デメリットとしては登場人物が作中で何か書いてることが出てくることになるんですよね。
なんで登場人物が何か書いてることがデメリットになるかっていうと、「またなんか書いてる人がでてきたw」っていうマンネリ的な。

まあ私がカキモノをしているのは「ホントに言いたいことをいいたい相手に言えない」ことの代替として「比喩的に作った主張を小説の形でおおっぴらに言ってる」わけで、直接交渉が苦手なのはよくないなあと思いつつも、私の心の安らぎとなっておりまして。

交渉の代替としての作品制作なので、物語と現実が地続きであることを好むのはしょうがないかなという感じがしないでもない。
とか、このエントリ書いてて思った。

とはいえとはいえ、「物語と現実が地続き」であることを(・∀・)イイ!と思うのは、何も自作に限った事じゃなくて、人の作品でも思うのですよ。

前に何かの診断みたいなので「ドキュメンタリーを好む」って出たのはこういう形で現れてるのかなって。

というあたりでそろそろケータイの充電終わったかしら。
おやすみなさーい。

中洲JAZZが始動していた

中洲JAZZの出演者第一弾が発表されてました!

Artist

やばい!!
fox capture plan と ADAM at が見れちゃう!!!
嬉しい!!

この2アーティストは今年になって気になってて、CD買ったりレンタルしたりして、特に最近聴きこんでるんですよ。
やばい、好きになった年に生で見聞きできるとか、ヤバすぎる(語彙力)

ADAM atはNHKのプロ野球中継のテーマ曲の人だよ。

fox capture planはKeishi Tanakaとのコラボ(透明色のクルージング)がTSUTAYAで推されて借りて気に入ったのだ。
いまんとこ一番お気に入りはこれかな。

あと、つのだ☆ひろとかダイアモンド・ユカイとかも名前上がってるので、ミーハー的には観ておいた方がいいのかしらどうかしら。
ステージ見たいといえば見たいよな……。

中洲JAZZ、何が凄いって、ステージ見るの基本無料なんですよ。
寄付とか協賛金とかグッズ売り上げで運営費を賄っているそうで。
お金がない私みたいなのにはとてもとてもありがたいフェスです。

とはいえ、お金がないなりに微力ながらパンフとかTシャツとか、グッズを買うようにはしてます一応。タオル買うよりももうちょっと頑張ってTシャツな感じ。
めっちゃ楽しいんだもん!
続いてほしいもん!

FBで中洲JAZZの公式ページをフォローしていて、最新情報はだいたいここでチェックしているんですが、先日こんなページの紹介がされていました。

https://camp-fire.jp/projects/view/33013

中洲ジャズ ボランティア自腹0円プロジェクト」というクラウドファンディング。
プロジェクトの内容を見たら、なんとおよそ400人のボランティアスタッフは、お弁当はおろかスタッフTシャツまで(原価とはいえ)自腹購入だそうで、わーたいへんだーと思ったわけです。

中洲JAZZ、めっちゃ楽しいんですよ!
中洲の道路封鎖してステージにしたりしてるんですよ!
道端でバーとかがワイングラス売りしてたりするんですよ!
九州が誇るジャズフェスなんですよ!
続いてほしいじゃないですか!!

と、ちまっとパトロンしました。
一番安いやつでなのであんまり偉そうなことは言えない。

一番安い3,000円パトロンコースは、リターンが「感謝感激メール」「非売品ステッカー」「公式パンフにお名前掲載」とのことで、
超短篇作家・氷砂糖
と掲載してもらえるようお願いしました。

氷砂糖としての宣伝広告費、という私の中の扱いで、なので同人用口座からお金出した。
宣伝広告費なんて言ってもどの層にリーチするのかいまいちわからないというか、効果はなさそうだな、なんて考えていますがw
というかそもそも同人用口座なんて言ってますが趣味ごたまぜ用口座と化しているので分ける意味とは

ああ楽しみだ!
中洲JAZZ、今年の開催は9/8,9です。

フィクションの力

フィクションの強いところは、概念をデフォルメできるところだと思う。

ノンフィクションでもできないわけじゃないけれど、それだと多少なりとも公平性が欠落してしまうと思うので。
そうなってしまうとノンフィクションとしての価値が下がってしまうと思うので。

『総務ゾンビ』と『月ワイン』がそこそこウケて、
私がライフワークにすべきはこういうプロパガンダめいたものでは
なんて思っている。

娯楽として受け手の懐に入り込めること。
受け手を多く取り込めること。
提示した思想を受け手に刷り込めること。

これをやりたい。

わたしは影響力を持ちたいんだと思う。
影響力というか、権力?
これはもうたぶん、日ごろの恨みつらみと僻みから来るものだと思う。

出来ることを伸ばして出来ないところをリカバリする、という考え方をしている。

文章というのはダイレクトに要素を抽出できる手段。

詩は究極に概念を精製したものだ。
残念ながら私に詩作の能力はない。詩人は本当に怖い。

ノンフィクション小説はモデルが要る。
自分をそのまま晒すのは憚られるし、ワンパターンしか書けない。
取材して書くなら専門家の方には到底及ばないだろう。

コラムや指南書は、著者に影響力がないと広がらない。
それに、要求がそのまますぎて反発の方が強くなりがちだ。

私に書くことができるのは、フィクションの小説だけだ。
その分、技術を研ごうと思う。
好きな言葉は質実剛健。技術に裏打ちされたものは強いと信じる。

信じる。

やっていることが無駄だとは思いたくなくて。

近況2017/7

やったー!
テキレボ新刊『ジュエル』の原稿がほぼできたー!
わーい!

表紙もできたよ!

ページをつくらにゃですな……あとで……(いつ)

 

トリカラアンソロ、誠意製作中です。
原稿もぽつりぽつりと届き始めています。(どこかへの圧力)
氷砂糖の個人原稿もできました。

右の表紙は仮表紙ね。
zine展にオススメ本として申請するにあたって、
表紙画像があるといいよ! ってのを目にしたので。

とはいえまだそっちも全然かいていないんだよなぁ。
……がんばります。

 

ぴくしぶで連載を始めてしまいました。
いや、ナギノさんの発した「男装竜騎士とスパダリ王子」って言葉に反応してしまって。

ファンタジーだけど舞台が未来っぽいし、
男装竜騎士は男装と意識して男装しているわけじゃないうえに獣医だし、
スパダリ王子はなぜかショタ魔法王子だし、
なんか性癖ぶっこんでいますがお付き合いいただければ……
いや、読まれない方が氷砂糖のブランディングには大事かもしれない……。

1話 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8352030

2話 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8352086

3話 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=8365128

ログインしてなくても読めるはず。
ちなみにまだ全然イチャラブしてないです。
イチャラブ予定なのです。

そんなこんなで競馬中継始まったからもう氷砂糖さんの日曜日はフィナーレであることよ。
しごといきたくない。

 

『超短編を書く、読む -process #1』を読んで

佐多椋編『超短編を書く、読む -process #1』が面白かったので連想して考えたこととか。

テキレボ5のお買い物代行サービスでゲットしました。
コピー本です。お値段覚えてない。

メインはタカスギシンタロさんのインタビュー。
聞き手は佐多椋さんと水池亘さん。

最初にタカスギシンタロ超短編集『ピアノ』から「花の完成」と「奇妙な刑罰」が引かれてインタビューが始まります。
「花の完成」はめっちゃ好きなお話でした。
『ピアノ』は買おう買おうと思いつつまだ買ってない……すみませんすみません。

タカスギさんは超短編を書く時に文章をなるべく簡素にしてるらしいのだけど、なるほどなあと思った。
同じところで小説は描写の文芸っていう表現も出てきて対比になってるところなんだけど。

私は両方どっちにでも振れるようにしてるなあって思った。
基本は簡素、かな。
推敲の段階で「これ描写に振った方がおもしろそう」と思ったら描写にこだわる。

その作品を貫くちょっと狂ったビジョンをロジックと呼ぶなら、氷砂糖作品は比較的ロジックがあるお話なのかなあと考えたり。
水池さんはロジックなしで書けない、佐多さんは感性ではまったものを書く。
タカスギさんはどっちかっていうと水池くんタイプだそうです。

詩人は怖い
同意。

超短編はすぐにラスト一行を書けるのは私も好きー。
短距離走、長距離走の適性がたとえとして挙げられているんだけど、リアル元陸上部で短距離走も走れないほど瞬発力勝負(フィールド競技)だった一人としてはとてもうなずける話ですね。

これは私の話なんだけど、集中力が一瞬しか高まらないっていう……。
私の場合、書き始めて完結させるまではだいたい一息でやっちゃう。
途中で休憩とか入れて集中力が一旦途切れちゃうと、ビジョンがぶれてしまうのよね。
(それなのにお話を終わらせるのが下手なのはどうしたことだ)

超短編を書くとき、今は初稿の段階でだいたい500文字以内で収まっちゃうなー。
「500文字」という枠が染みついたのかなって思ってたんだけどどうなんだろ。

伸縮怪談のフォーマットを初めてちゃんと知ったかもしれない。
怪談は、ちょっと遠い世界なので……。
ちなみに私は100・400・800・2000文字というフォーマットで伸縮小説っていうのをやっていたりするんだけど、この形を思いついたのは伸縮怪談がヒントだったりする。

この前ちょっとだけ峯岸さんとお会いしたのだけど、そのときに「なんで500文字の心臓に?」みたいなことを訊かれて。
お話を書き始めたときに最初に行ったのはショートショート系のところだったのだけど、星新一先生の出来損ないって言い得て妙だな、とか。
500文字の心臓に多くある作風が居心地いいです。

超短編の500文字制限が、当時のパソコンモニターの一画面分相当というのは、読んでなるほど。
私はブログに載せるサイズとしてちょうどいいなあって思ってる。
超短編はインターネットなしには生まれなかったかもしれないそうです。

太字部分は『超短編を書く、読む -process #1』より引用

KDP始めての雑感

総務にゾンビがやってきた! (籠解放会)』でKDPでびうして1ヶ月くらい経ったので雑感など。

売上げだけ見るとまだヒトケタ冊しか売れてないので、(まあ宣伝あんまりやってないとか価格が最低値とかいろいろあるけど)収入源として数えるのはあんまりよくないかなあ。

ただ、ちょっと面白い現象を体感したのでメモっとく。

面白い現象っていうか、リーチする層が普段の私のお話の読み手じゃないところにいるなって。
新たな海を見つけたな、って感じがしたのです。

私は普段、
・ 作品ブログ(or適当な投稿サイト)に作品をupする
・ まとめて本(同人誌)にする
・ 委託(架空ストアやイベント)で売る
という手順を踏んでいます。

んで、私のツイッターフォロワーの方は、結構いろんなクラスタがいらっしゃる。

ネットでの活動は文芸が主ではあるけれど、公表しているように働く精神障害者でもあって、フォロワーの方の中には結構な数のメンがヘラい方々がいらっしゃるんですね。相互か片思いかはともかく。

で、『総務ゾンビ』は障害者雇用がテーマだったりするわけで、同人誌とは縁遠いけれど障害者雇用に関心がある、という人に届いていたのです。なんと。

もともとKDP始めようと思ったのは、増刷はしないけど読みたい人がいるのに絶版になるのはなあ、と思ったことがきっかけなので、あんまり売れる売れないはきにしてなくて、というか、在庫が微妙に残ってるの哀しいので冊子版早く売り切れて的な気持ちがあったりなかったり。

書き手氷砂糖のやりたいこととしては、500文字小説を極めたいっていうのと、自分が体験したこと(主にびょーき)を形にして読み手に追体験させたいっていうのがあって、前者は一人でこつこつやってればいいんですが、後者に関しては多くの人が使っているメジャーなプラットホームでやる必要があるなって思って。
だから『総務ゾンビ』をKDPで出せたのはちょうどよかったなーって。

ブログで公開するのと、同人誌で頒布するのと、ネットプリントで配信するのと、KDPで出版するの。
重なっている部分が無いわけじゃないけど、届く層が違うなーって体感したのでメモ的に書いてみました。

 

 

氷砂糖さんがダービーについて語るようです

昨日寝たのが2時過ぎで、今朝起きたら7時で、
んで、通院してお昼寝しようかと思ってたら、眠いのに寝つけないという。

今夜はテキレボ6の募集開始なので起きていなくちゃいけなくて、
今更ねて寝過ごすのも馬鹿らしいので、エントリなんか書いちゃう。

私が競馬好きになったきっかけは、ディープインパクト
なんかもうすべてがかっこよかった。

それまでに夫の蔵書『馬なり1ハロン劇場』やテレビの中継で
なんとなく競馬の空気は知っていたものの、
夫のようにトウカイテイオーミホノブルボンの現役時代を知るわけでもなく
「ほへー、そんなにのめり込めるものなのかー」
くらいの感慨だった。
(ちなみにミホノブルボンに跨ったことがあるというのは競馬繋がりの人に自己紹介するにはすごくいいつかみだったりする)(乗ったことあるんだよ!)

そんな中あらわれた「無敗のダービー馬」。
ちょうど夫から勧められて『ダービースタリオン04』をプレイしていた影響もある。

もう今となっては記憶なのか捏造なのか定かではない。
ダビスタの攻略本で「ディープの配合」が載っていたのは覚えている。
SS様つける資金なんてないよー!
と思ったことも覚えている。
ちなみに夫曰く、ダビスタの初めのうちは、
とりあえずニホンピロウィナーを付けておけばいいらしい。

『馬なり』やゲームと現実の競馬がリンクして楽しめた最初の競馬が
たぶん、2005年だったのだと思う。
その年に初めて馬券を買い、初めて馬券が当たったのが2006年だ。

2006年も『馬なり』と現実のリンクがおもしろくて、
メイショウサムソンは印象に残っているダービー馬。
『馬なり』でのサムくんパスくん物語が楽しくて夢中になって読んだし、
馬券もたぶんそこそこ買ってた。

その年の阪神ジュベナイルフィリーズ。
馬券検討中の私には、夫から「この子、強いよ」と教えてもらった馬がいた。
ウオッカだ。

結果だけ言えば、ジュベナイルフィリーズではウオッカの馬券を買わなかった。

けれど。

テレビに映るウオッカの走りに惹きつけられた。
気にしていなかった馬はいつの間にか画面にいて、
前の馬にどんどん追いついて、
最後に、先頭でゴールした。

ちなみに私の差し馬好きはウオッカのせいです。
ジュベナイルフィリーズは、なんというか、ものすごい爽快感があった。

1着を続け挑んだ桜花賞でダイワスカーレットの2着だった。
(ちなみに桜花賞は馬連当たった)

牝馬ウオッカがダービーに出るというニュースを見たとき思ったのは
「えええええええ?? 間違えてない?? 間違えてない??」
というのが素直な感想だった。
だって当時の私の知識では「ダービーは牡馬しか出ない」。
夫に「出てはいけないという決まりはない」と教えてもらい、
ダービーは全力でウオッカを応援しようと決めた。

2007年東京優駿。
ウオッカが勝った日本ダービーはいろんな録画映像を見過ぎていて、
もはや「生中継」で観たときの記憶がない。

ウオッカは私が人生で今のところ一番愛する馬で、
たぶん、これほど愛せる馬は一生出会えないと思う。

当時、私はいろいろしんどかった。
「女だから」ということについて思いつめているところがあった。
ウオッカのダービー優勝は、そんな私の希望になった。

ウオッカはその後、ご存じのように成績が低迷するわけだけど、
私はただウオッカの単勝にベットし続けた。

2008年、ダービーではディープスカイが勝ち、
天皇賞・秋でディープスカイダイワスカーレット、そしてウオッカが競った。
このレースは人生で一番興奮したレースかもしれない。

正直、ウオッカダイワスカーレットだったらスカーレットの方が強いと思う。
ウオッカは成績にムラがありすぎる。

でも。
私はウオッカを愛している。
日本ダービーを勝ったウオッカを愛している。

ウオッカの2017(父フランケル)が牡馬だと聞いた。
この子も応援しようと思っている。
タニノアーバンシーも応援している。

しかし、同人作家って業が深いよな。
ウオッカあいしてるだけを原動力に2冊も本出してるぜ……。

fillies

元競走馬がやってるBARがあるんだって

谷津矢車『おもちゃ絵芳藤』はいいぞ

歴史作家の谷津矢車先生とはツイッターでキャッキャウフフしてる仲なのですが、
なんでこんな関係になったのかは覚えていない……。

さておき。

谷津先生の新刊『おもちゃ絵芳藤』を読了いたしました。
クリエイターを殺す本」と谷津先生はおっしゃられていましたし、
実際、読んでいてザクザク切りつけられはしたのですが、
読み終えたら良質なカタルシスが。

と、まあハードル上げ続けてもしょーがないとはおもうけれど
谷津先生なら笑って許してくれる。信じる。信じるって大事。

主人公の芳藤は幕末の絵師。
浮世絵師、歌川国芳の弟子です。
国芳が亡くなったところからお話は始まります。

私は中学から社会科捨ててた(担当教師が嫌いだった)のと、
未履修問題があった高校卒なので日本史の知識がほとんどないです。

なので、歴史小説ってどうも苦手意識があったのです。
というか今もあるんだけど、谷津先生の作品では、そこまでメジャーじゃない人物が主人公に据えられる事が多くて、前知識があんまりいらないので助かっています。
文体も軽妙だし。
(ただ、文体が軽妙なのは歴史小説好きな人から見るとマイナスポイントなのかもしれない)

というわけで、浮世絵の知識もほとんどない私ですが、
いやいや、楽しめました。

作中、藤芳は、絵師としての経歴は長いものの当たり作に恵まれず、
駆け出しの絵師がやる仕事であるところの「おもちゃ絵」をひたすら描いています。
弟弟子たちはどんどんと名を上げていくのに、
取り残されている、
という、まずここがクリエイターに切りつけポイント。
このポイントにビビビと来た人はぜひ読んでください。

そして、舞台は幕末から明治への過渡期。
変わっていく世の中で、
合せて変わっていく人々、変わることを拒む人々、変わることを強いられる人々。
ここは現代社会の写し鏡でしょう。
このポイントにビビビと来た人はぜひ読んでください。

あと、冒頭の国芳始め、いろんな原因で人は結構死にます。
人死にがどうしても苦手な方は敬遠してください。
それだと歴史小説読めないだろうけど。

不器用な生き方をした芳藤、その周りの人々。
いや、正直、谷津矢車作品では一番好きですね。

ちなみに「おもちゃ絵」というのは子供向けの絵のことで、
おもちゃとして遊ぶための絵だったり、戯画だったりのことらしいです(?)
巧く説明できている気がしない。

芳藤の描いた絵に関してはこんなツイートを見つけたので貼っておきます。

 

が結構なキーポイントかもしれない。
師匠国芳の画塾にはたくさんの猫がいたそうです。

そうそう、この『おもちゃ絵芳藤』、
カバー装丁の擬猫化絵師のイラストもいいのですが、
カバーを外した装丁も赤地に金の猫絵で、渋カワです。
結構ポップかもしれない。
(なお、カバーを外したのは書店で紙カバーをかけてもらうのを忘れたから)

いい本でした。
折を見て再読したいです。

 

zine展inBeppu4、申込みしました!

zine展inBeppu4(2017/11/3-5)に申し込みをしました!

今日募集ページ公開で、今日のうちに枠が埋まってしまったそうで。
委託のみという同人界隈では珍しい方式なのと、
主催さんからの詳しいレポートが届くという親切なところがポイントです!

別府いい街だよー。
小学校の修学旅行で行ったなあ。
婚前旅行的な両家の顔合わせ的な旅行でも行ったなー。
(あの頃は痩せてたなー)

さてさて、出展が決まったのでお知らせが一つ。

文芸アンソロジー トリカラ』というアンソロジーを発行します!
初出はzine展だZEEEEEEEEEEE!!

水面下でごにょごにょしてたのはこれです。
ちなみに言い出しっぺの私はまだネタ出しさえやってませんが、
既に届いている原稿もありますよー。

他に出展予定なのは、
去年出した『アイノマジナイ』と、テキレボ6新刊予定の『ジュエル』です。
無料配布も2種類受け付けてもらえるようなので、
テキレボ5のポスカラリーに出した『櫻切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿』と
名刺を置いてもらおうかと思っています。

ついでにもう一つ告知だ!

テキレボ6の募集が5/28 0:00かららしく、
今日からテキレボおせっかいbotを再稼働させました!

テキレボのおせっかいなおかん&あねご
https://twitter.com/te_ki_re_bo_mam

ナギノさんとむしこさんに助けられながらヒーコラがんばって運営しておりますので、
テキレボ出展に興味がある人はフォローしておくと吉。
フォローじゃなくてリストに放り込んでおくのもまたよし。

というわけでよろしゅうにー。