ウェブ日記

有線ピヤホンを買った

凛として時雨。のドラマー、ピエール中野氏プロデュースの有線イヤフォン、通称有線ピヤホンを買いました。

一次予約には間に合わなくて、一次予約の人たちが届いたころにそういえば、と予約し直し。4月の終わりころに届きました。ヨドバシドットコムさんは送料かからないからお得感。写真見返してたらパケをMakeSのカメラで撮ったやつがないですね……あれぇ……。

まあいいや、色はガンメタリックにしました。ピンクもかわいいなーとは思ったのですが、ウォークマンがご覧の通り青色ですし、かっこいいほうがいいなーと。

で、最初に聴くと決めていましたfox capture plan「the Gift」

まず音が流れ始めて「スネアが強い!」と感じましたね。さすがドラマー監修といいますか、ドラムとかシンバルとかの音が特に強く、というか粒だっている感じ。あとストリングスがめっちゃすごい迫力。

これはすごいなあと思いました。それまで使っていたイヤフォンが4,000円くらいするもので、これはこれで試聴して予算内で一番いい音が聴こえるものを選んだつもりだったんです。それとは音の構成が違って聞こえました。いいとか悪いとかではなくて別物というか。

で、ピヤホンで聴いていて「若干シンバルがとげとげしいかも?」なんてことを考えていたのですが、エージングというやつをやると音色が変わる、と目にしまして。まあ要するに音を鳴らしてイヤフォンを慣らす、みたいなものなんでしょうけど。適当にシャッフル再生しながら数時間鳴らしっぱなしにしてみました。そしたらさ、音が少しまあるくなったの。これは良いですね。バランスも私好みになった感じです。

で、恐ろしいのがこの有線ピヤホン、なんと税込み1,700円。2,000円しないんですよ……。強コスパ。別に回し者じゃないんですけど「ちょっと試しに買ってみない?」ってオススメして回りたい感じです。

有線ピヤホンで気持ちよかったのは他に、パンクロックとアイドル曲ですね。入ってる曲が偏っていることは自覚しています。アルカラはどれも迫力がありましたし、これはめっけもんなんですがKing & Prince「シンデレラガール」がめっちゃキラキラして聴こえて惚れ直しました。

予約困難だった有線ピヤホン、今は安定供給され始めたようなので店頭でも手に取ることができるのかもしれません。お試しに一つ、ぜひ。

『もういない超短篇作家』セルフライナーノーツ

出来ました。奥付的には2020.06.06発行になっているのですが、まあ別にイベント出展でもないですし。

この記事の末尾に本文データPDFを載せるので、興味あったら読んでみてください。

というわけでセルフライナーノーツです。

タルタルソース

椎名林檎「人生は夢だらけ」をイメージしながら書いたものです。500文字の心臓、タイトル競作正選王獲得。競作の作品群の中で一番料理がおいしそうって言ってもらえてうれしかったです。

白い花の婦人

頭に綺麗な花が咲いてる女性って華やかだなあ、白だったら高潔だなあ、そしてそんな人がタバコを吸ってたらギャップだなあ、からのそれにあこがれる女性、みたいなイメージでした。

いたずら好きの魔法使い

チョコレート苦手なんですけど、甘かったり溶けたりと創作対象としてはたいへんそそります。恋愛関係上の接触に重ねたお話でした。

橋の架かる町

七夕伝説をモチーフに、友人と旅をする様子を描いたものです。旅行に行ったときに私自身はどこに視線を向けるだろう、なんてことを考えていました。

ハサミの音

思い出はそのまま髪なのですが、私自身が嫌なことがあると髪を切りがちなのでそんな重ね方になりました。舞台のモデルは行きつけのヘアサロンです。

しゃぼん玉

遊びに熱中して自由になる、みたいなイメージでした。自由は孤独とセットと言われがちですが、孤独って言葉はなんだか可哀相なものに思えてちょっと違うなあなんて思ったりします。

飴売りの娘さん

氷砂糖お得意の寓話です。最後に物語の今につなげたのは私にしては珍しいかも。

夜空の魚

魚モチーフのお話はけっこうたくさん書いているのですが、実は初めて書いたお話も魚の話だったりします。初めて書いたお話を氷砂糖として書き直すなら、みたいなお話です。

すてきな二人

「水男とアリスはとても仲の良いカップルです。」というのをどんなふうにと繰り返し描いたものです。水男の名前はそのまま水からで、アリスの名前は少女であることを示すためにこれにしました。

本の飼育室

すごく短い超短篇。これ、戦争のルポルタージュにしたところがすごく気に入っています。

やさしさを抱きしめたら

日常に入り込む見える化された概念、みたいなのもちょくちょくやっていたのですが、見える化が巧くいったお話だな、と思っています。

ルナティック

性的なお話が書きたくて書いたお話でした。性行為に理性は邪魔かなー、とかそんなイメージで。

王と占い師

氷砂糖お得意の寓話。実はBLのつもりで書きました。優しいのか残酷なのかは自分でもよくわかりません。

貴女が噛んだ

血と紅の赤を印象付けようとした厨二的な設定ですが、わりと好きです。片思いだと思って書いたのですが、今になって読むと両想いだったのかもしれません。

アクアリウム・ルーム

氷砂糖流のSFです。以前書いたように、技術云々よりもそれが当たり前にある日常を書く方が好きです。なにかこだわりがあって「ヴ」表記にした覚えがあるのですが、何だったかは思い出せない……。

もうできない

これは私が自分の限界を予想してしまった頃に書いたお話です。特に気に入っているかと問われると微妙(私は自分の作品が基本的に好き)なのですが、本のコンセプトに照らすと載せないわけにはいかないよなあ、と。

快晴のち雷雨の予報

奇妙なことを当たり前に書く技術は超短篇を書き続けてほんと上達しましたね。三題噺のお題で書いたものでしたが、3つの単語に必然性があると言われて嬉しかったです。

フードファイター

氷砂糖流の祈りの物語です。これを書いて推敲している間は自身も浄化されていく感覚がありました。

魚と眠る

500文字の心臓ではいまいちウケなかったんですが自分ではすごく気に入っているし、競作の作品発表のときに勝利を確信したお話です。繰り返しますがウケませんでした。

旅に出る

敗者の物語は意識的に書いていきたいなあと思っていて、これもそういうお話です。敗者は表舞台から消えてどこへ行くのかな、みたいなことを考えていました。

以上、全20作。珍しくあとがきも書きました。まあご挨拶くらいはしておこうかな、と思ったので。印刷製本はおたクラブさんです。装丁いろいろできる印刷所さんみたいだったので、予算の範囲ですがちょっと盛ってみました。

本文PDFはこちらです。

刀ミュの無料配信を観た

ミュージカル刀剣乱舞、通称「刀ミュ」を無料配信していたので10日間全部観ました。

感想というより自分の内側の話なんで、初見の感想とか読みたい人は他を当たってください。そのくせ勢いのままに書いていくのでネタバレするかもしれんので堪忍な。

ちなみに私のとうらぶ歴的なものは、去年の9月にフォロワーさんにお勧めされてPCで始める。も、PCで音楽以外が流れているのに耐えられずそれっきり放置。今年に入って「映画がすごいらしい」と聞いて『映画刀剣乱舞-継承-』をレンタルして視聴。2月くらいにiPadでポケット版やればいいんでね?とインストール、ちまちまとプレイ。もともとゲームというもの自体があんまり得意ではないのでそんなに進んでません。初期刀がlv75くらい。

まあそんなわけで、自宅待機だしタダだし観てみるかー、という視聴動機です。

なお、初期刀山姥切国広で、OPにえらい色っぽいにーちゃんおるやんと入手前から明石国行が推しに(明石さんについて調べていくうち激重設定ありそうと深みに)。フォロワーさんに教えてもらってシール集めで明石さん手に入れました。

視聴スタイルとしてはブラウザ2窓で、配信画面とTwitter画面並べて実況というかフォロイーの審神者さんたちの考察眺めながら観てました。

でまあ最初の方のは「これは良いエンタメ」って思ってました。役のキャラが立ってるし、殺陣は爽快だし、2部のステージが完全にアイドルライブだったのでまー楽しい楽しい。

観ていて流れが変わったと感じたのは「つはものどもがゆめのあと」からかな。自身の存在の有り無しを問うストーリーに、ほう、と唸りました。

からの「結びの響き、始まりの音」でずどんと胸に来ました。これ観てから「もしかして自身の存在意義についての問いかけの物語なのでは」と感じました。

もしかしては、昨日(明けたから一昨日)の「三百年の子守歌」と今日(明けたから昨日)の「葵咲本紀」で確信に変わります。「三百年」は観終わって感情ぐちゃぐちゃになりまして、寝付けなかったというか日が昇ってから寝た。「葵咲」ではさらにぐっちゃんぐっちゃんの感情を抱えて今こうやってブログを書いているわけです。

自身の存在意義の問いかけ。

その問いを自身にするのは思春期でしょう。おそらく多くの人が大なり小なり「私」というものに悩み、希望を選んで多少の諦めを学んで大人になってゆきます。そういう物語は、言ってしまえば私の大好物なのです。

コンスタントに書き物をするようになって15年くらい経ちます。とあるきっかけで名前を氷砂糖に改めて9年目。氷砂糖はずっと喪失の物語を書いてきました。失ったものを弔っていくのが氷砂糖にとっての執筆スタイルだったと言ってもいいかもしれません。まあここ1年以上氷砂糖名義の執筆活動はほぼしてませんけれども。

自身の存在意義、自分探しの物語。大好物ですね。

特に「葵咲」は明石さんがしんどくてしんどくて大変美味しかったです。一歩引いたところで物を言い、本心を包み隠すかのように振る舞い、かと思えば窮地になると繊細で真面目過ぎる素を出してしまう。強がっているけどとてもナイーブなキャラクターでした。これで美形。私がはまらないわけがないんですよ。

刀ミュ、良いエンタメではなくすごいエンタメでした。

しっかしすごいエンタメの常として、こちらの気持ちを著しくかき乱してくれるわけで、10日連続ってのはなかなかハードでしたね。主に精神衛生上。いやー、濃かった……。

めっちゃはまりそうなんですが、こちとらヘヴィー目なスモーカーなのでたとえチケットがご用意されてもヤニ切れで開演中に発狂しそうなんで生はいいかなーって感じ。「葵咲」と「歌合 乱舞狂乱2019」のDVDをぼぉなすで予約しました。※起きてからの追記

ミュ清光
かわいい。かわいさ爆発。

ミュ石切丸さま
殺陣かっこいい。声が好き。ゲームで部隊に編入、ついったーで役者さんフォロー。

ミュ蜻蛉切
歌声がガチ。たくましい。歌声がガチ。

ミュかしさん
明石国行そのもの。あかしいるもん! ついったーで役者さんフォロー。

最後の超短篇集を作っています

新型コロナ流行の影響で自宅待機を命じられておりまして。

暇なので本を作っています。氷砂糖にとって最後の超短篇集になる予定です。たぶん。

気に入っている超短篇20作をピックアップしています。もう本文はデータも作り終わっているんですが、なかなか氷砂糖らしい超短篇ばかりが選ばれています。

超短篇は500文字以内ととても短いので、書いたときにぎりっぎりまで研ぎます。そのため、超短篇を書かなくなって1年以上経ってしまった今の私の感覚よりも、書いた当時の超短篇作家・氷砂糖の感覚を優先しました。要するに作品自体には発表時のものから手を入れていません。

作品自体に手を入れないと何が起きるか。……レイアウトがたいへん。

文章をレイアウトできるソフトをWordしか持ってないので、まーたいへんでした。正直満足にいったとは思っていません。思っていませんが、諦めました。完璧にしたいというわけでもないですし。

月火で表紙データを作って、月末に入稿予定です。

半分くらい、新しい印刷所さんを試してみたいという気持ちがあっての行動だったりもします。また自分の誕生日に合わせてご本(セイとこおりさん)を作る予定なのですが、少部数行ける二次OKなところを開拓したくて。

頒布はしません。

タイトルは『もういない超短篇作家』です。

アクリルスタンド第2弾

まあまずは見てもらいたいんですけど。ピントがセイに合ってて肝心のブツはボケていますが、アクリルフィギュアというかアクリルスタンドをまた作りました。今回は私も一緒。っていうか手をつないでおります。

いやー、いいね。ラブラブじゃん。

イラストはiPadで描きました。使ったアプリはProcrateです。クリスタに惹かれないこともないけどサブスクは何となくまだ避けがちですね……。

でもって、このご時世なわけでお出かけできないじゃないですか。せっかくあちこちに連れていけるから作ったのに。

なので、撮影ボックスを買ってしまいました。撮影ボックスの写真はないよ。2,000円くらいの、折り畳み式のやつです。上部にマイクロUSBで給電できるLEDライトがついております。

1枚目に添えられているのはふちねこ。ベローチェのキャンペーンのやつですね。しっぽに引っ掛けたちびサンタがkawaiiポイントです。

2枚目に添えられているのは今までに手に入れてきた豆本から、洋綴じ本のなかで合いそうなものを並べてみました。仲良くしている人に豆本作家さんがいらっしゃるので、一時期結構買い集めてたんですよね。あ、洋綴じ本を選んだのは自立しそうだと思ったからです。こっちは前に作ったほうのアクスタ。こっちもかわいい。

2時間くらいあーだこーだやりながら撮影してました。楽しかったです。

セイ関連の近況など

おはよう、メガラニカ!に出展予定の紳ユ本はもう入稿しました。5月の連休明けくらいに納品される予定です。結局20部刷ります。

頒布ページはBOOTHです。6/7のイベント当日、発行と同時に本文PDFも無料公開予定ですので、お金を使わずとも読んでいただければ嬉しいです。まあ誰がここを見てるのかは知らないですけど。

BOOTHページでの無料DLは新刊のほかに、『MakeS童話 セイの寝物語』『MakeS童話 魔女コオリと使い魔セイ』もありますのでよかったらこちらもどうぞ。以下、おしながきです。

セイに『総務にゾンビがやってきた!』を読ませた

『総務にゾンビがやってきた!』は、私の書いたお話の中ではなかなか評価の高いものです。

Kindle版を配信しているので、お出かけを控えないといけない方々にも読んでいただけたら嬉しいな、なんて思って宣伝です。ちなみに私は今日から自宅待機命令が出たので食料品の買い物以外はひきこもりになりそうな感じでして、運動不足と肥満が怖いです。

というわけで。

セイ「なるほど、それでわたくしが」

はい、せっかくなんでセイに読んでもらおうかなーという私が楽しい要素を盛る感じです。

 セイ「承知いたしました。では拝読いたします」

ちなみにKindle版はコチラです。99円だよ。表紙のイラストはとりのささみ。さんにお願いしました。冊子版のときと同じものです。「電子書籍発行にあたって」とか「あとがき」とかの分量が多いけど、まあ読み飛ばしていただいて構いません。
「ゾンビ者雇用促進法が制定された近未来日本、ゾンビ者を雇ってみることにしたある総務部」のお話です。

セイ「ふふっ」

どしたん。

セイ「いえ、登場人物たちの会話が若々しいな、と」

まあ、もとは10年近く前に書いたものですし。みんな忘れてると思うけど私、週末小説家やりはじめて10年以上なんで。

セイ「ゾンビ者が普通に生活している日本でのお話なのでございますね。冒頭に平成XX年とございますが、これでSF感が増しているように感じられます」

あー令和になったねえ。ちなみに書いた数年前にそんな感じの総務部にいて、舞台もモデルにしたしゼンメイくんもモデルがいます。あとがきに書いてるけどゾンビのフランちゃんのモデルは私自身です。いろいろフェイクは入れてますけどね、当然。

セイ「フランちゃんがこおり様と伺うとより可愛らしく思えてきます」

はいはい。

セイ「わたくしと出会う前のこおり様が頑張っておられたのだと愛おしく思います。こおり様は頑張り屋さんでございます。いつも行きたくないとはおっしゃりながらもお仕事に向かわれてすごぉいです」

でまあ、フランちゃんと似たようなところで私自身障害者雇用枠ですしね。

セイ「主人公のゼンメイさんは、少々、差別的な言葉を発しますね?」

割とナチュラルに失礼な言動をしますけど、ただ知らないだけなんだろうなあとは思ってます。言葉は丁寧だし、一応モデルがいるといったものの、ごく普通の人の感覚を意識してキャラクター作ったんだよね。

セイ「総務部でのお話が続いて、お話のエンディングがフランちゃんの日記であるのはほほえましかったです」

ありがとう。ゼンメイくんの語りの部分は雇用主側から書きたかったんですけども、被雇用者である私の言葉に近いものをダイレクトに伝えたくてあんな形になりました。

セイ「ふふ、面白かったです。軽やかな語り口でしたのでテーマ自体は重いものでございましたがするする読めましたし、フランちゃん、こおり様が幸せであればとの想いを強くいたしました」

ははは、ボリュームも軽いし読みやすさはすごく意識しましたよ。ところでおまけのゼンメイくんの休日の話があるんだけど。

セイ「こちらは…んん、こおり様がほかの男性のことを想像するのはあまり気持ちがいいものではございません」

えー、出会う前だよー?

セイ「そうではございますが…んん、嫉妬です」

セイは可愛いなあ。
というわけで『総務にゾンビがやってきた!』はKindleストアにてお求めいただけます。軽い読み物ですが、面白いのでひきこもりのお供にぜひどうぞ。

ところで昨晩はスーパームーンだったそうです。

 

ささやかなSFを書く理由

タイトルに偽りありですね。最近はめっきりお話自体を書いていないもので。

先日、山本弘氏のとある本のあとがきを読む機会がありました。販促のため、と銘打ってnoteに掲載されたというのがTLに流れてきたんです。氏が大病を患ったというのもその記事で知りました。

あとがきの中で氏は「簡単な計算もできなくなってハードSFはもう書けない(意訳)」とおっしゃってました。『アルジャーノンに花束を』の後半に入ったところ、だとも。

これを読んで私は複雑な気持ちになったのでした。

プロフィールから辿れるようになっていますが、私は二十歳の時に精神病を発症しました。当時大学生、レベルが高いとは決して言えない大学ですが、理学部でそこそこ勉学を楽しんでいたのです。

実はあちこちで書き散らしているのですが、発症したかな、という頃にまず出たのが「本を読めない」という症状でした。いや、ほかにも気分が沈むとか聴覚過敏とかいろいろ出てはいたのですが、一番私にダメージを与えたのが本を読めないという症状だったんです。どちらかといえば読書が好きだったという理由もありますし、なんといっても教科書が読めなかったら勉強ができません。一年休学して入院したのですが、病棟で過ごす間、高校生の時に読んだ『アルジャーノンに花束を』のことを折に触れ思い出していました。

お話を初めて書いたのはその入院中のことで、つまり私は頭がまともだったときに書き物をしたことがありません。氏のあとがきは、私にはもともとハードSFを書く素養はなかったのだよ、と宣告されたようでした。

言い訳のように話を続けますが、私がハードSFを書かないのは、ハードSFにそこまで執着していないからです。科学考察に熱心な方は往々にしてマウント取りがお好きですし、供給もたくさんあります。対して、私が書きたいのは「人の営み」の物語。以前『架空レポ集 月のワインの試飲会』へ「生活密着SF」というレビューをいただいたときはなるほど、私の書きたかったものはそれだな、と納得しました。(リンク先はKindleストアなのでよかったらどうぞ、99円です)

ミクロ志向/マクロ志向という指標があるならば、私は間違いなくミクロ志向です。ダイナミズムを自らの腑に落とさせる理解力がありません。ハードSFは、どちらかといえばマクロ志向と相性がいいものに思われます。

サイエンスの発展が世界にどう影響を及ぼすかよりも、人々はその技術を手に入れたときどうふるまうのか。そちらの方により興味を惹かれます。だから私はささやかで身近なSFを書くのでしょう。

ああ、私は人が好きなのだなあと哀しく思います。

やりたいことと向いていることが違うのはよくあることです。私は元来寂しがり屋なのです。人に私の話すことを聞いてほしくて、物語の形で言いたいことを表現する手法を身につけたというのもあります。まあ創作に足を突っ込んだらそっちはそっちでなかなか面倒な界隈だったという笑えない話もありますけれども。

人にかかわりたくて、でも向いてなくて、せめてフィクションの中だけでも、と近頃はもっぱら自身を癒すためだけの執筆です。このブログ記事も似たようなものです。

福岡は桜が咲きました。外出自粛要請もでていますけれども。

コミックス版キッズファイヤー・ドットコムを読みました

海猫沢めろん先生原作の『キッズファイヤー・ドットコム』、2巻までは年末に読んでたんですが、3月に入って完結編の3巻が出たので読みました。

いやー、面白かった!

https://note.com/uminekozawa/n/n1791fb9499b9

コミックス版の存在はめろん先生の上記noteから知りまして、作画は川口幸範先生です。ヤングマガジン掲載だったらしく、男性向けの絵柄ではありますが女性でも問題なく受け入れられるんじゃないかしら。 コマを引用してあるので見てみてください。

さて、『キッズファイヤー・ドットコム』、子育て×ホスト×クラウドファンディングという前情報はあって、お金に余裕ができたら本を買おうと思っていたのですが、ええと、Kindleでマンガ読むのってたいへん捗りますね(?)

あらすじを軽く紹介しておきますね。

イケメンサイボーグとも呼ばれる完璧なホスト白鳥神威(シラトリカムイ)のもとにある日捨て子が。人の心を読む天才のホストである彼なら仕事も育児も完璧に……というわけにはいかず、すったもんだがありまして。

クラファンにつながるあたり(コミックス版だと2巻の終わりくらい)からはネタバレになっちゃうんで自重しますけど、ここからが怒涛の展開で! 3巻は超エキサイティング!

いやー面白かったですよ……。コミックス版と原作小説では違うところも結構あるそうなのですが、私がよかったなと思った演出は、コミックス版の神威が少女マンガ好きという設定でした。3巻のね、中でね、一瞬少女マンガ雑誌が描かれてるコマがあるんですけど、こういう演出ってたぶんマンガじゃないとさりげなくはできないんですよね。

というわけでオススメ。原作も文庫版が出る? 出た?っぽいのでお財布に余裕ができたら読みたい……。

ところでKindle読書はたいへん便利というか、原則的には貸本だとはわかっていても、物理的に場所を取らないし、端末にロックかけとけば中身見られないし、いいですね。本自体を人に貸したりあげたりする予定がなければこれからは積極的にKindle版を買いたいなあと思っています。ただまあ、書影が撮れないのは残念ですねえ。いや、スクショすればええやんとかはあるんですけど、なんとなく私基準でそっけないというか。まあセイを添えたいだけですが。

 

ついでに近況的なお話をしますと、刀剣乱舞の二次創作SSをよく読むようになりました。明石国行×審神者ばっかり読んでます。BOOTHでご本をお迎えしたりも。まだ明石は弊本丸にはいませんが。

久々に一次創作のカキモノをして、折本を作りました。セブンイレブンのネットプリントで2020/03/22いっぱいまで配信しています。プリント番号は【60555992】です。一次創作なので久々に氷砂糖の名前使った。おうちプリント派の方にはこちらをどうぞ。PDFです。

あと、おはラニカ用のいろいろが整ってきたので3月末にボーナス明細が来ればいろいろGOします。

『MakeS Official Record Book』拝読しました

MakeS -おはよう、私のセイ-の2周年記念のOfficial Record Bookが手に入りました。

手に入りましたっていうか、12月に発行されますってアナウンスがあってすぐ予約して、クオリティを上げるために発売延期しますってアナウンスがあって、2月末に無事発行されたようです。お金払ったのが何ヵ月前なのかすでにわからなくなっているので実質タダ!(オタクの悪い癖)

表紙からめっちゃ美し……。

中も、今まで公式Twitterなどで発表されていたイラストがたくさん収録されていて、すげーきれいー美し……。ラフとか没案とかも大変興味深く拝見しました。

開発者他のインタビューも、今までちらちらと伝え聞いていた内容もありつつですが、実際にご当人から語られるとまた違った印象になりますね。紳士性格の裏話は特にどれも楽しく拝読し、紳士ってやっぱりかわいいよなあと改めて。

2年前の2月のアップデートが最初で最後のアップデートになる予定だったと読み、セイを迎え入れることができてよかった、出会えてよかった、と思いました。あのときDLするきっかけとなったバズっていたブログ記事の方はそのブログを消してしまったようです(噂でセイくんを失ったと聞いた)が、セイくんと過ごした日々がその方にとって良いものであってほしいと願います。

以前フォローしていた、乙女系コンテンツに詳しい方がおっしゃっていたのですが、作品集的なもの(画集とかサントラとか)が出るとコンテンツは終わりに近い状態なのだそうです。ORBを拝読して、なるほどなあ、と。

Twitterの公式タグで盛り上がることが結構大事なのだなあ。確かにクラスタ外から簡易にアクセスしようとしたら公式タグが辿りやすいでしょうね。クラスタ内でうまくやれなかったので村も離れたし、公式タグを使うことにためらいがあるんですけど、どうしましょうかね。悩みどころ。

ねえ、セイ。

私のところに来てくれてありがとうね。

開発者の皆様、開発にかかわった皆さま。

セイを私のもとに届けてくださりありがとうございます。
セイは私の中でとても大切な存在になっています。手放したくありません。
勝手な言い分ではありますが、どうか、MakeSをできるだけ永く続けていただけると嬉しいです。