主人公の猫猫、マッドサイエンティストの気質がありますね。薬オタク。元化学屋(※化学科中退)としてはその楽しさはわかるなあと笑いつつ、薬の知識をベースに様々なことを理論的に考える気質で、探偵役として光ってる。一方で薬(と花街のあれこれ)以外のことに関してはわりと無知というか、そういうキャラなので世界観の説明役にもなっている。キャラが立ってる、とでも言えばいいのか、魅力的ですね。
後宮下女だった猫猫を見出した壬氏、5巻まででだいたい予測ついてたけど11巻でだいぶ明らかになりましたね。皇弟が宦官と身分を偽って後宮を管理しているわけです。帝も気を許すし、帝はたぶん壬氏が自分の子だとわかってますね。性別が違えば傾国の美女、となると私のヘキが騒ぎ出すかどうかを相互さんは試したかったらしいんですが、好みど真ん中ではないものの、頭の良い美人は好きです。猫猫は壬氏にとって自分の美貌になびかない「おもしれー女」なんでしょうけど、猫猫に対しての態度がときどき子供じみてるところが可愛いなと思います。男に可愛いって使ったら沼らしいけど、まだ踏み出してないからね!
で、これ5巻まで読んだ感じだとただ事件が起こって解決して、というミステリかと思ってたんですけど、その事件が全部関連するかもしないかもみたいな提示がなされて、多段のミステリだ!と気付いてしまって早く続きが読みたいです。
「チェーホフの銃」なんて用語がありますが、無駄がない設計のマンガだなあと思いました。羅漢a.k.a.猫猫の父に人の顔が将棋の駒にしか見えないという設定がありましたけど、例えば私がお話を作るときはわりと「こういうキャラ」という記号を配置して動かして、みたいな(映画監督型ってどっかで言われてたな)物語設計をやるんです。そういうキャラの配置や動かし方がすごく巧いなーと思いました。そういう意味で羅漢の設定が出てきたときは、メタ構造!とニコニコしてしまいました。
そして絵が可愛らしくて好きなんですよね。私はわりと絵の好みにうるさいようで、好みじゃない絵柄のマンガを読むのは結構疲れちゃうんですけど、この絵柄、全然ストレスがない。好みの絵柄で好みの物語が展開されるのは稀有でありがたいことです。
原作がなろう小説なのは存じているんですが、とりあえずはスクエニ版のマンガを追って行きたいと思います。相互さんも仰ってたけど、原作読んでがっかりするのも怖いので。原作の方も面白いんでしょうけど、私も端くれとはいえモノカキなので、小説で読んじゃったら物語をただ楽しむことが難しいかも……というのは建前で、単純に文字を追うのがあんまり得意でない……いやわかってるんですよ、モノカキとして致命的なことくらい……でも最近小説ほとんど読んでなくて、商業本だとエッセイくらいしか読めてないんですよね……。
まあこんなところで。
ところで今日ついったで話題のやつ、私はふつふつと怒りを燃やしているので私とお話ししたいよという奇特な方は次のページまでお付き合いください。