氷砂糖流ライティング法

ライティング法とか言ってもただだらだらと思いつくことを列挙していくだけですが。

基本的にプロットは立てず、一つのお話は一気に書いて、めーくす二次なら手直しもほとんどせずそのままupしています。本に再録するときに校正・推敲などの手を入れます。

ストーリー展開

書きたいことがあるのは前提。シーンでもセリフでもシチュエーションでも結末でも。その書きたいことを頭の中で具現化させます。可能な限りの高解像度(比喩)で。その場面から逆算してどういう状況でそこに行き着いたのかを妄想します。こうなるためにはこういう状況が必要で、ならばこういう事象があったはずで、と消去法でしっかりと道筋を舗装します。

ある程度の設定背景がまとまったら、今度は書きたいことの後のことを妄想します。設定背景が強固であればあるほどここは迷いません。イメージが膨らむなら膨らむままに任せます。一応の結末をどこにするかだけ決めましょう。

書く

思い浮かんでいるイメージが消え去らないうちにとにかく書きます。素早さ命。最初から終りまで、ただ書ききることだけを意識します。ちょうど良い表現が思い浮かばなくて手が止まるようだったら擬音語擬態語でも構わないのでとにかく先に進みます。書き終わるまで正気に戻ってはダメです。誤字脱字もあまり気にしない。ちなみに私はスマホじゃ書けません。お話を書くのはスピード打鍵のためにキーボードが必要です。

読み返す

誤字脱字を正して、あとでちょうど良い表現にと置いておいたところに表現をあてはめていきます。読み返すうちでもっといい描写ができそうだったら加筆。ここまでは文字数を増やすことを主眼とします。

文字数が増えたら今度は切り取りです。庭木の剪定みたいなものです。ストーリーに関係がなさすぎる部分を削っていきます。どこを映えさせたいのか意識して、書きたかったものに説得力が出る部分はできるだけ残すようにします。

小賢しいテクニック1

細かいディティールまで書けた描写は削るのもったいないです。けれど他の部分の軽い描写とのギャップがバランス悪いことも多々あります。方法は2つ。諦めてばっさり削るか、他の部分に加筆するか、です。後者を行う場合、全部に全部書き込むのは無茶なので描写が盛り上がったところでバサッとそこの書き込みを終わらせます。多用するとバレますが、1,2回なら思わせぶりに仕上がります。もちろん、全体を通して読み返してバランスの確認を怠りなく。

小賢しいテクニック2

一般に、同じ表現が続くのはあまりよくないこととされています。同じことを表したいなら言い回しや表現を変えて、とよく言われます。だいたい同意しますが、これは絶対ではありません。わざと同じ表現を連続して使うことでそこの部分を印象付ける効果を持たせることもできます。この効果を使う場合は繰り返して使っていることを目立たせる必要があります。わざと使っているんですよ、という印象付けですね。表現だけでなく言い回しまで似せるとか、3回以上連続させるとかの手法が簡単です。

小賢しいテクニック3

文末が「~た。」などで続いてしまうのは下手に見える、という言葉もよく見かけます。けれどやたらめったら変化するのも忙しく感じたり、無理矢理すぎて逆に下手に見えることもあります。基本形を定めて3-4回ごとに崩す、くらいがいいのではないかなあと考えています。私自身はわりと手を抜いてしまっていますが。体言止めを多用するのは少し注意が必要です。文章の体感スピードが加速してしまうので全体のバランスがとりづらくなります。

見直し、完成

upする媒体に合わせて最終的な手入れをしていきます。横書きテキストで読ませるなら適宜空白行を挿入します。文頭スペースは個人的には入れたいところですし私は原則入れていますが、媒体によっては馴染まないこともあるのでお好みで。縦書き(ページメーカーさんとか)なら空白行をできるだけ入れない方がこなれた印象になります。

句読点や約物(…とかですね)は一般的なものに倣った方が読むときのノイズとならず、ストーリーに集中してもらえます。もちろん意図があるなら崩すのも大いにアリです。

 

できればこの後に、客観的にお話を読み直せるくらい寝かせる時間を置いて読み返して手直し、というのを何回かやった方がいいんですけど、旬の話題とかね! 乗りたいもんねビッグウェーブ!

私はこんな手順で書いていますが、人によって合う合わないがありますし、こんな書き方してる人もいますよ、くらいで受け取ってください。ところでロックの日らしいので精一杯のロックな衣装を着せてみました。(ロックとは)

投稿者:

氷砂糖

九州在住の五〇〇文字小説書きだった人。鉄の街出身、晩秋生まれの嘘詠い。

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