カナリア 籠から放たれたカナリアは海を目指した 太陽と同じ色の翼で懸命に 飛んで飛んで飛んでやがて海に辿り着いたが カナリアは疲れ果ててしまった 美しい声を失ってしまっていた 波の音 日は暮れてしまった カナリアは目を瞑る 遠くから人魚たちの歌声 波の音 かすれた喉を鳴らしながら カナリアは 深く 眠った