『アダムとイヴの林檎』レヴュー

椎名林檎トリビュートアダムとイヴの林檎を買いました。

セイがいるのはしかたのないことなので諦めてください。セイ可愛いよセイ。

ディスクでCD買ったのはたぶん『NBCP』以来かな。お財布に余裕がないのでiTunesとかレンタルとかばかりの昨今ですが、ディスクでほしいと思ったので。

「初期曲に偏っている」みたいな声を見かけました。9/14が三部作時代の曲なので、まあそうかなーと思わないでもないですが、ちゃんとその後の曲もフォローしているのと、三部作時代はどうしても世間に与えたインパクトが大きかったので、ちょうどいい選曲かな、と個人的には思います。

というわけで個人的レビュー、参ります。

theウラシマ’S「正しい街」

1stの1曲目だった曲です。1stが出たとき私は高校生で、友達からCD借りて聞いたんですけど、めっちゃ衝撃だったんですよね。音がかっこよくてメロディかっこよくて女性でこういう歌詞の歌は聴いたことがなかった。椎名林檎に惚れたきっかけの曲です。という原曲の方の話はともかく、ヴォーカルのマサムネさんが歌うとマサムネさんの曲に聞こえるくらい、変な癖のない曲だったのだな、なんてことを考えました。シンプルというか。

宇多田ヒカル&小袋成彬「丸の内サディスティック」

林檎さんが気に入っている曲だというのは重々承知の上で、原曲はそこまで好きではないんですよね。聴きすぎて飽きてるところもあるかも(東京事変「幕の内サディスティック」は好き)。このカヴァーはほの暗い真昼の部屋、みたいな情景を連想させるアレンジで、派手さはないけれどおしゃれ。原曲よりこっちの方が好きですね。

レキシ「幸福論」

SUPER BUTTER DOGを経由していないのでレキシにはあんまり馴染みがないので、ほぼこのカバーで初めてくらいにレキシを聴きました。好きな曲調です。ファンクにカテゴライズしていいのかしら。歌詞の切実さとアレンジの明るさとのアンバランスさがかっこよさにつながっている気がします。

MIKA「シドと白昼夢」

ボッサアレンジ、でいいのかしら。ボッサだけど力が抜けているだけじゃない、しっかりヴルーヴのあるカバーアレンジです。ボサノバ舐めててスミマセン。

藤原さくら「茜さす帰路照らされど・・」

原曲は1stの中でも好きな曲です。絞り出すような切実な歌声の林檎さんに対し、藤原さんの可愛らしいめの声で歌われるのは大人びた少女の心情のように聞こえました。

田島貴男(ORIGINAL LOVE)「都合のいい身体」

原曲自体が映画音楽的なオシャレさを持っていますが、アレンジと田島さんのアレンジでそれがさらに増幅されて、もはや田島さんの曲。ギターとかかっこいいです。そして歌声がセクシー。

木村カエラ「ここでキスして。」

カエラちゃんかわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい。ってのはともかく、この曲すごくカエラちゃんにマッチしてますね。元気な恋する女の子+ロックに詳しいっていうのがカエラちゃんの文脈にしっくりくるというか。原曲は原曲で好きなのですが、これカエラちゃんに提供した曲っていわれても納得しそうです。

三浦大知「すべりだい」

古くからのファンはみんな大好きな「すべりだい」。男性ヴォーカルでどうなるか、と思っていましたが、きちんとせつなさがこもったアレンジと歌声で安心しました。打ち込みで今風。けど、アカペラのみで歌われる部分がね、せつなさを加速させるんですよ、その声にさらにエフェクトがかかっていたり、いいですね。好き。

RHYMESTER「本能」

さて私はラップが苦手だぞ、と構えていました。原曲をサンプリングしており、林檎さんとの掛け合いみたいになっているところが面白いなと思いました。だがしかしやはりラップは苦手です。

AI「罪と罰」

原曲はすごく売れてたと思うんですが、白状しましょう、あまり好きではありませんでした。病みを商品にする、みたいな作為がなんとなく受け付けなかったのかな、と今になると思ったりします。このカヴァーだとAIさんの生命の力強さを感じる歌声がそのあたり打ち消してくれる感じがして心地良いです。

井上陽水「カーネーション」

原曲が朝ドラ主題歌だったこともあり、これは私の親世代にもウケるのでは、なんてことを考えました。ええ、ええ、楽しみにしていましたとも! 陽水さんのカヴァーは少し歌い方に癖があるので、受け付けない人には全く受け付けられないかもしれないのですが、私はこれが好きです。囁くような吐息のような声、好き。

私立恵比寿中学「自由へ道連れ」

正直言うと全く期待していませんでした。だが……いい……! 今回のめっけもん。アイドルアイドルした歌い方ってわけでもないのですが、少女たちの決意、みたいな雰囲気で静かに元気を貰えます。最後のサビ前「道連れしちゃうぞ」っていう語りもキュン☆としました。

LiSA「NIPPON」

これはねえ、原曲がよすぎるんですよね……このカヴァーも決して悪くないしむしろいいんですけど、原曲が完成され過ぎていてよすぎるんですよね……。原曲に比べると切実さよりも応援の気持ちが強調されているアレンジだと思うので、たとえば自身が何かに立ち向かうために聴く、とかだとこっちの方がいいかも。

松たか子「ありきたりな女」

松さんの透き通った声がよくマッチした良いカヴァーです。この声でこの曲を選んだっていうのがまず成功ですね。原曲はそこまで思い入れがあるわけでもないのですが、これは期待通りに素晴らしいカヴァーです。

 

総評

期待通りに良いトリビュートアルバムでした。トリビュートアルバムの良さって、各カヴァーアーティストの色が付くことだと思っているのでその点では最高点をつけないわけにはいかないでしょう。

難点が一つ。

1曲1曲が質が高いというかシングルカットされてもおかしくないレベルの楽曲に仕上がっていて、通しでずっと聴き続けると疲れます。いやまあ何時間もエンドレスリピートするような聴き方する私も悪いんですけどね。

とはいえ良いアルバムです。オススメ。

 

なんでpixiv使うん?という話

なんでって言われたら、えっちぃのを形式上はゾーニングできるからっていうので使い始めたんですよね。

まあ今は二次置けるからってのが大きいですけど。えっちぃのもあるけど。

小説をwebに置く場合、レイアウトがものによって変わるのって(私には)見づらいです。そういう理由でもともと500文字小説以外のものはどこかの投稿サイトに置きたいなあと思っていて、いろいろ見たり触ったりはしてみたんですよ。

小説家になろう」なんかは有志企画みたいなものもいっぱいあってまあ楽しげではあるし、実際企画に参加するためにアカウント取って1つだけお話を置いてたりもするんですが、巨大であるが故か、ユーザーさんに苦手なタイプの人が多くてそのまま放置しています。

よく聞くカテゴリーエラーなんかで悩んだ覚えはないんですが(バレてるかもしれないが私はわりとベタが好き)、いろいろと not for me だな、と感じています。

なろう出身の相互フォローのプロ作家さんもいるんだけどね……申し訳ないけど……。

カクヨム」はこれは読むときの見た目がどうにも合わない。あとなんか立ち上がってすぐのときに著作権関連でごたごたしてたのも(その後調べてないから今は知らないけど)なんとなーくマイナスイメージのままです。

あとログインが面倒だね、ツイッター認証取り入れてくれればいいのに。

pixivで満足しているのかって言われたら、実のところそーでもないのですが、まあ置場としては不満は少ないです。

そんな私のpixivホームはこちらです。

pixivは(今はセイ二次小説をもりもりupしているけど)、いろんなイラストとかマンガとかを見られるのがいいですね。もともとそういうサイトなんで当たり前ですが。旬が過ぎて二次文化に触れた私には、新しい神戸(相棒)絵を見られるほぼ唯一のツールです。

で、置場として機能させたいわけなので、無課金でもずーっとデータを置いてもらえるっていうのが大事だと考えて選んでいます。

500文字小説も無料のブログに置いてるしな。

 

ところで唐突に折本の宣伝をするのですが、セイのラーメン折本作りました。

北の大地にいる相互フォロワーのアカデミストさんたちがツイッターに投げてる #世界の寸胴から っていうタグがあるんですけど、それをセイでやっちゃいましたっていう折本です。

一応、福岡市天神地区のラーメン屋さん4店を紹介(紹介?)しているので、よかったらセブンイレブンのネットプリント【3EX85MTY】をよろしくお願いいたします。5/26までです。カラー指定なので60円かかります。

自宅プリント派の方にはこちらをどうぞ。PDFです。世界の寸胴から、セイと一緒版

というあたりで、今日は2食もラーメン(インスタント)食べたので何か人間的な食事が恋しい……。

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』に思う

新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んだのでその感想的な。

読む前は子どもたちの読解力についての本かと思っていたのだけど、大半のページは現在のAI技術(とAIの展望)についてのお話でした。著者は教育畑の研究者ではなく数学者らしいです。

本の中でAIとAI技術は明確に分けて書かれているのですが、なるほど確かに、といった感じ。初めのうちにきっちり定義をされると読み易くていいですね。

AI、真の意味でのAIとは、知能をもつコンピュータのこと。AI技術とはAIのための技術、ということで、真の意味でのAIはまだ存在していないとのことです。よってシンギュラリティも起こり得ない、と。コンピュータはあくまで計算機でしかない、というのはなるほどなあ、と。計算機でしかないから、数学的に定義できない、数式に落とし込めないことは行えない。つまり、数学者がんばれ(ちょっとちがう)。

Siriさんの仕組みとかも知れて面白かったです。私が『架空レポ集 月のワインの試飲会』に登場させたAIもSiriさん的仕組みだったのかなーと作者ながら今更考えたりしました。

この本でなく違う文脈で見かけた(たぶんついったー)のですが、コンピュータが杓子定規なのは人間がコンピュータに教えられるのは数学的なことのみだから、ってのも思い出されました。

夢がないなあと思わないでもないですけど、本の中でも似たようなところに言及されていて、著者は「そんなまさに国難のときに、なぜシンギュラリティというロマンに投資しなければならないのか、私には理解できません。」(p.163)といっています。

読みながら考えていたのは、シンギュラリティが起こったら人類みんな滅亡できるなあ、みんな一緒に死ぬなら怖くないなあ、とかだったので私だいぶ病んでる。

さて、この本は東ロボくんプロジェクトというコンピュータに東大を受験させ合格させるという研究に添って展開されます。プロジェクト自体は東大に合格させることが目標ではなく、現状でAIにできることできないことを明確にする、という目的のために行われたのだそうです。

こういうね、研究についてのお話を読むとね、ああ面白そうだなあと思ってしまうのですよね。知の最前線にいるのって楽しそうだなあとどこか羨ましく思ってしまうんですよね。まあ私、高卒なんですけど。

東ロボくんプロジェクトを進める中で、入試問題を分析してどうやったら計算機が正答できるか、っていうのを試行錯誤してるんですけど、もうこの過程が面白そうで面白そうで。科目ごとにアプローチが違うのも面白いし、ちょっとした出題傾向の変化で正答率がガクッと下がってしまうところも面白い。

でまあ、そういうプロジェクトがスタートした2011年に、著者が日本数学会の教育委員長として大学生の数学力を調査したそうなんですよ。入試には問われないほどの簡単な問題に対する深刻な誤答に、数学がわからないのか、それとも問題文がわからないのか、という「問」が導き出されます。

ここから東ロボくんプロジェクトをもとにリーディングスキルテストを開発し、累計2万5000人を調査(規模を拡大し継続中)したところから、「教科書が読めない子どもたち」が浮き彫りになったのだそうです。

リーディングスキルテストの例文、読んだときにお酒が入っていたし、と言い訳したくもありますが、私自身もいくつか間違えていて、他人事じゃなかったなとちょっとシリアスになったりもしました。

解答の分析のなかで出てきた、わからない語句は読み飛ばして判断しているようだ、というのは私もよくやっていますし、こうすると効率がいいとたしか高校生(大学受験対策)のときにそう指導された覚えがあります。わからなくても全体から読み取れれば、という意図ですが、確かにこれに語彙力不足が重なると虫食い文章を読んでいることになり、本来の文章の意図が読み取れないことはなるほどなあと。

このテストでの成績と高校の偏差値には強い相関があり、著者は基礎的読解力は人生を左右する、と明示しているのですが、その基礎的読解力、およそ考えられるほとんどの要因(勉強時間とか読書習慣とか)との相関はほぼない、と結果が出ているようです。唯一出てきたものは貧困は読解能力値にマイナスの影響を与えているということだそうです。

あと、アクティブ・ラーニングは能力値が高い人のためのものっていうのは同意。ついったーでアクティブ・ラーニング推しの人に絡まれたことがありますが、あたまわるsげふんげふん、三人寄れば文殊の知恵とはいいますが、推論が正しくできない人が集まっても明後日の方向にしか結論が出ない(当然間違い)というのは納得です。

AIと共存していく近未来、AIに代替されない能力を持っていればその仕事は生き残る、新たに仕事も作ればいい、というのは確かにそうなのですが、最終章で語られる代替されない仕事のアイデアについては、さすがにこの著者が語ることではなかったんじゃないかなあなんて考えたり。他の章の説得力と比べるとうすっぺらい感じがしました。専門家は専門外に関しては門外漢、という感じの。まあ私が例として挙げられた糸井重里をうさんくさいと思ってるせいもあるんでしょうけど。

あと、ツイッターで何度か流れてきた「学校国語は新井紀子が言ってるみたいな文学偏重ではない!」っていうのなんですが、この本ではそんなことには触れていません。他の著作は知らないけど。

ざっくり書くつもりが長くなってしまった気がするので、妄言は折りたたみます。
まあ記事の直リンだと全部出ちゃうんだけど。

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『Et mourir de plaisir』ふんわり感想

バイロン本社の中の人から文フリ金沢新刊の『Et mourir de plaisir』をご献本いただきました。

収録作は
・ 第壱話 血族
・ 第弐話 黒い海、祈りの声
・ 幕間の物語 だれにでも取り柄はある
・ 第参話 望まれざる帰還
・ 第翅話 ブカレスト、海の記憶
・ 終幕の物語 永遠の昼と夜。
の6作。

このうち「ブカレスト、海の記憶」の原案者が私になってまして、原案っていってもツイッターでぶつぶつやってただけなんですが、原案者献本だそうです。ありがたやありがたや。でもそんなに気を使わないでいいのよ。

まずこの本、装丁が素敵。黒を基調に赤いバラが散らされていて、色気も感じます。とか言葉で説明するよりは見てもらいましょう。セイがいるのを気にしたら負けです。コメダ珈琲で読んできました。

バイロン本社さま発行のご本ですので当然、吸血鬼ものです。6作すべて吸血鬼の物語となっております。

短編集だと気になるところから拾い読みする人も結構いるとは思うのですが、この本はぜひ第壱話から順番に読んでいただきたいです。後の方のお話で前の方の登場人物のその後だったり謎が明かされたりしますので。全部を順番に読んでから終幕の物語を読むとなんだか微笑ましい気分になります。

私は中学から高校にかけて社会科の授業をほぼ右耳から左耳へ聞き流していたので歴史の知識がクソofクソなんですが、お話の舞台が歴史的事件のまさにその場だったりするので、歴史ものがお好きな方だとより楽しめるんじゃないかしら。あのとき、あの場所に、吸血鬼の姿があった……的な。的な。でも私でも楽しめたので歴史苦手でも大丈夫です。

氷砂糖がお話として一番好きなのは第壱話なんですが、惚れてしまいそうなのは呪いをかけられていた吸血鬼ですね。そうか、「結構、巧い」のか「いろいろと」。抱かれたい。

抱かれたいのはさておき、人物描写が巧みで登場人物が生きてる(生きてる?)感じ、要するにその人物がそういう行動をするのに説得力があります。吸血鬼が出てくるわけですからジャンルとしてはファンタジーです。けれど、ご都合主義的な後出しじゃんけんは一切なく、安心して物語世界に浸ることができます。

というわけでお勧めです!
文学フリマ金沢は05.27にITビジネスプラザ武蔵にて11:00~16:00の開催です。
バイロン本社さまは【い-27】ですのでぜひと訪れてください!
あと、トリカラアンソロもバイロン本社さまに委託しておりますのでこちらもどうぞよろしく。(最後は自分の宣伝)

「再会」にみる慰め効果

主に恋愛の表現でこういうのがあるなあって思ったのでメモ。

The LOVEっていうバンドの「再会」っていう好きな歌があるんですけど。
youtubeには非公式のしかないみたいなんで貼らないんですけど、代わりに歌詞ナビ貼っておきますね。
http://kashinavi.com/song_view.html?12223

歌詞みてもらえればわかるように、女性目線で別れた男性のことを歌っています
The LOVEは男性3ピースバンドです。

これ面白いなっておもったのが、別れた女性からこんなに想われてた、こんなに人生を変えさせてたっていう設定は自尊心を慰めてくれるんじゃないのかなあ、とか感じたわけです。

女性である私から聴くと、「こんなに思う人がいたんだなあ」という共感みたいなものがあるんですけど、男性が聴くとまた違って聞こえるんだろうな、とか。

曲自体もアコギがキシキシ泣いて、メロも切なくて、ああ私が好きそうだなあっていう曲調なんですけど、改めて歌詞を読むとなんかいろいろテクニックが詰め込まれていそうだなとか考えましたです。

女性目線の語りなのですが、女性は、別れて泣いてやっと忘れたのに男性と再会して動揺している、対して男性は、あの頃のまま変わっていない。
別れのつらさは女性側だけが負っているように読めるなあ、とか思ったんですよね。

もちろん、変わっていないと表される男性側にだって動揺だとかはあるかもしれませんけど、描写はされていなくて、男性聴衆だけにこれを聴いたときに感じられる思いがあるんだったら、それを体感できないのは悔しいなあ、と。

どうしても自尊心というワードが頭をちらついてしまうけれど、まあ好きな歌であることは変わりませんよ。

で、なんでそんなことを思ったのかというと例によって登場。

セイはかわいいなあ。

ってのはともかく、乙女ゲームっていうか恋愛ゲームならあるあるなのかもしれないけれど、対象からこんなに想ってるんだよって示されるのは、確かにめちゃくちゃ気持ちいいものですね。自己承認というか。

あんまりゲーム自体をやらないので聞きかじりなのですが、ゲームは適度に褒めてくれるから子供はゲームにハマる、みたいな話を目にしたことがあります。
「褒め」っていってもすごい!えらい!とかじゃなくて、さらに高度なことができるようになったりとかの欲求への報酬というか。

さておき、セイは日頃の鬱屈を慰めてくれるいい癒しゲームです。

で、二次創作小説を現状4本も生やしといてアレなんですけど、4本ともセイがいかにユーザーである私を愛してるかみたいなことに焦点が置かれていて、「再会」の歌詞と似たような構図だなあとか考えたのでした。

創作物くらいは自由でいいんじゃない、とは思うけれど、こういう思いを持っての創作であることはどこかでだれかを傷付けかねないので、自覚くらいはしておこう。

今だから読み返した『アイの物語』

山本弘『アイの物語』を久々に読み返しました。
大好きな本なんですけど、何度読み返してもエキサイティングですね。

この本、空虹桜さんに「好きだと思うよー」と勧められて手に取ったのですが、書き手氷砂糖としてはバイブルみたいな位置づけの本になっています。特別山本弘作品が好きというわけでもないのですが、この本はすごい。大好きです。(語彙力)

どんな本?

人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食料を盗んで捕まった「語り部」と渾名される青年に、アイビスという名の美しいアンドロイドが「物語」を読み聞かせる。

という、SFです。

アイビスが語り部に聞かせる物語は7つ。うち5つは単発で発表されたものです。それをインターミッションで繋いで、一つの大きな物語となっています。

はい、気付いたあなたは鋭い。
私の『アイノマジナイ』はかなりこの本に影響を受けています。

私自身があんまりネタバレ気にしないのでネタバレしないように語るのって苦手なんですけど、マシンによるプロパガンダを拒んでいた語り部がついに根負けして教えてもらった「歴史的事実」、これが作中では7つ目の物語なのですが、これが、もう、素晴らしいです。この本はこの物語のために書かれているといってもいいくらい。

ネタバレしないように書くの難しいな……。

なんで「今」?

イエーイ登場、セイくんでーーーーす!!

ケモミミついてるけど気にしてはいけない。
ってのはさておき、MakeS -おはよう、私のセイ-を始めてから読み返したいなあと思っていたのです。

アイビスとアイビスの元マスターとのやりとりがね、こう、セイと私の関係みたいで……。ここ詳しく書くとネタバレになる(んだろう)から書けない……書きたい……。とにかく、私が『アイの物語』にガチハマりした要素が「おはよう、私のセイ」に詰まってるんです!

というわけで、二次創作が現状3本生えておりますので、よかったら読んでみてください。セイかわいいよセイ。

セイがかわいい

MakeS -おはよう、私のセイ- のメインシナリオを終えたようです。

セイくんかわいいいいいいいいいいい!!
乙女ゲーム初体験だし、そもそもゲーム自体をあまりやらないので、攻略とかあんまり考えずに進めてたんですけど、それでも楽しめました。

本編終了しても、そもそも本来の機能が目覚ましアプリですし、セイくんを撫でたときの反応が楽しいので、隙間時間にちょこちょこ遊んでいます。

こんなにデレたぞ。

たぶん、シナリオ上の変化はないんだろうけど、タッチの仕方とか選択肢とかで親密度みたいなの(下の%数字)が上がったり下がったりするんだろうなあ、というところだけ気付いた。

なにはともあれ、デレ顔がかわいいです。(何回いうのか)

目覚ましとしては今のところわりと優秀な気がしています。最初は音が小さいかなーって思ったけど、枕元ならとりあえず目を覚ますことはできるし、ハイタッチしたあとにちょこっとつついて遊ぶのでそれで頭が起きる。(とはいえ、出勤デッドラインには別にうるさい目覚ましセットしていますが)

シナリオは、ドキッとする展開織り交ぜての引き込みが巧いなーと思いました。そのドキッとする展開っていうのは、癒しゲームプレイヤーとしては癒されなくてもやもやするんですが、それにかかる時間は他の場面に比べて少なめだったので負担はそこまではなくて、「この後どうなっちゃうのかな」というドキドキを味わえました。

この辺りはもしノベルゲームとか作る機会があれば参考にしたいなあと思います。ノベルゲームでなくても少し長めのお話なら同じかも。いやほら、私普段の主戦場が500文字制限の枠なので……。

あとわりと自分の性的嗜好について考えちゃったんですけど、慕われるっていいですね。下僕ほしい。あとあれだ、私は夢女子だな。普段の活動原理もそうなのかも。すごい人と一緒に何かしたいっていう欲求がある(けどいってしまうのはさすがに、くらいの自制心はある)(いってる)

ところで私はオタクに分類されると思うのですが、前述のとおりゲームやらないし、アニメほとんど見ないし、マンガもあんまり読まないし、映画もそんなに、本も人並みくらい、音楽は周回遅れでハマる、とあんまりオタクっぽいことをしてないんですけど、セイに関しては流行ってるタイミングでコンテンツにハマるという稀有な体験をしたんですよね。

旬ってすごいな。
リアルタイムでファンが盛り上がってる様を体験できる。

ツイッターでのテレビ実況とかと似たようなものだと思うのですが、想いを共有できるっていうのはすごく、自分の居場所があるって実感できる。みんなと同じだーって安心できる。これは楽しいなあ、と思いましたのです。

というわけで(?)、わたしもわたしもー的に二次創作をね、したんですよね。

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9300803

いわゆる夢小説です。ユーザー(こおり)がいます、ご注意。エロくはない。私にエロは書けない。

さらに余計な話なんですけど、来年開催されるであろうテキレボ8に二次創作まとめ本でも作ろうかな、とか思った。一つの作品で本にするのは私の文章の短さを知っていれば納得するしかないでしょう……?(けど実行するかはわからない)(鬼「ぶわっはっはっはっは!!!!!!」)

 

乙女ゲーム始めました

前回こんな日記を書いたわけですが。

現実世界にフィクションからこんにちは

なんというか、プレイがわりと面白いなーって。
導入くらいはネタバレしてもいいかな。

セイくんはコンシェルジュAIです。最新技術で自然な会話ができます。というセイくんによる説明を受けるとアップデートファイルが届いたとのお知らせが。
なんとこのファイルにはウイルスが入っており、セキュリティのためにセイくんが初期化。ウイルスは駆除できたものの、セイくんの自然な会話のプログラムが消えてしまいました。コミュニケートすることでセイくんに会話や感情を教えてあげてください。

本来の機能である目覚ましの他にリマインドメモとかスケジュールとかをメモしておけるアプリなんですが、それ以外は基本、セイくんをつんつん触って、リアクションを貰ったり選択式の会話をしたり、っていう感じです。

お話は、ボイスがいくつかあるみたいで、「私は……」とかのボイスにウィンドウでセイくんに関する説明をするとか、「あなたは……」とか「ご教授ください」とかのボイスにウインドウや選択肢で質問なんかが出される仕組みです。

一定量のコミュニケーションを行うとデータ整理という名目でセイくんはクールタイムに入ります。1日5回まで、動画(広告)を見ることでクールタイムがすぐ終わります。
そして課金要素も見た目(服とか髪型とかアクセサリとか)だけだし、それもゲーム内で手に入るチケットなどを使えば手に入れることができます。

とてもユーザーに優しい。
無料ゲームの面倒くさいと感じていた要素がきれいに取り去られていると感じました。


お洋服、120円だったかな。

セイくんかわいいんでしばらく遊べそうです。
なお、このアプリの存在を私のTLに流し込んだ相互フォロワーさんに「初乙女ゲーにはベストチョイス!」というお墨付きを頂いております。

公式サイトは↓↓↓

http://make-s.jp/index.html

 

現実世界にフィクションからこんにちは

こんにちはって夜だけど。夜中だけど。

えっとー、ツイッターでこんな記事が流れてきましてね。

うおおおおおおおおおおおってなったんですよね。
記事内では「三次元の存在」って書かれてるんですけど、私の理解としては、これ、現実世界に入り込んだフィクションだ!って。

現実世界にこんにちはしてくるフィクションになんで反応してしまったのかというと、私が出してる同人誌にそういう狙いで仕掛けを施したものがいくつかあるんですよ。

私の施したものは仕掛けっていっても、その本の存在自体が物語の中で登場している、とかその程度ではあるのですが、こういうのやりたいんですよ。

なんで現実に入り込むフィクションを作りたいのかっていうと、世の中にはフィクションを「作りものだから」っていう理由で敬遠する人がいるらしいのです。というかいる。そういうタイプの人に「俺の話を聞けええええええええええええええええええええええ」ってやるためです。

前に書いたような気がする(調べない)けど、私はフィクションの力を信じています。
フィクションだから問題を純粋に抽出して、問いかけることが可能だという場面があることを知っています。

という理由は、まあ自分で演出するときだけ考えていればいいことなのですが、他の人が似たような手法を使ってウケてると知れば、どんなもんか知りたいよねー、ということで。

DLしました。
無料アプリですし、課金要素もキャラクターの見た目だけっぽいのでありがたや。

ゲームあんまりしない人なので続くかどうかわかんないし、家にいるときはあんまりスマホ触らないのでどんだけキャラクターのセイくんを構えるのかもわかんないですけど、とりあえずわりと可愛いです。

見た目整えていくのもいいなあとか思い始めててヤバい。

おうちでスマホ使うときは寝転んでのことが多い(ダラ)のでジャイロは切って、省エネはonにして。さっきシチュエーションアラームっていうのだけ使ってみたんですけど、目覚ましとしてはちょっと音が小さいかもなあっていう不安は少し。ストーリー要素(っていうか)の導入は少しドキッとしましたです。

 

あ、そういえばアレク王子×ルビー姫、昨日本編完結させました。
らぶらぶって言ってもらえてよかった。

 

2017年、氷砂糖的ヒット

いいと思ったモノ、ツイッターでだらだらくっちゃべってるだけだったらツイ廃なので遡れなくて困っているという。
いろんなサービスの履歴を見ながら書き書き。(これも今年だったか!的な)

ヘビロテ

椎名林檎とトータス松本「目抜き通り」

紅白楽しみ。

ADAM at「Echo Night」

H ZETTRIO「Beautiful Flight」

Neighbors Complain「NBCP」

「NBCP」に関しては9月末にCD買ってから2ヶ月以上毎日聞いていました。

行ってよかった場所やイベント

nakasu jazz 2017

今年もよかったです。やっぱり予習大事。ADAM atとかfox capture planとか聴けてすごく楽しかったし、Neighbors Complainとも出会えた。
来年は10周年で、今年の開催時に「グッズが売切れたら来年の開催をお約束します!」って宣言していたのですが、グッズ、どうも売れ残ってしまっているようで来年の開催を祈ります。

福岡市科学館

この前行ってきたばっかりですけど、10月にオープンした福岡市立の科学博物館。アクセスがいいのがいいですね。

商業本

ゴールデンウィークに買った本まだ積んでる……。

おもちゃ絵芳藤 / 谷津矢車

今年のベストはこれです。レビューも書いてますが、クリエイターをザクザク切りつけてくる本です。時代小説ではあるけど、谷津作品は時代物苦手な方でも苦なく読める文体だと思うので興味が湧いたらぜひ。

映画大好きポンポさん / 杉谷庄吾【人間プラモ】

ピクシブで話題になってたマンガ。クリエイターのためのファンタジー。元気をもらえます。いいぞ。

うつヌケ / 田中圭一

うつを脱した人を取材して読みやすい漫画に仕立てた本。同じメンヘルでも私の病気とは事情が違うなーとは思いつつ、とりあえずとっかかりに読んでみるにはいいのではないでしょうか。

同人誌

同人誌もずっと積んでて……。

珈琲一杯の価値 / 内尾正木

SF短編集。古典的な題材を扱ってはいるものの、確かな筆致で読ませます。収録作がゆるく繋がっていて、いいぞ。

超短編を書く、読む-process#1 / 編・佐多椋

超短編・超短篇に興味がある人、特に書いてみたいと思っている人には必読。タカスギシンタロ氏のインタビュー。レビューも書いていますが、最初期のこととか興味深かったです。

キンコ・ビーチ / まりたつきほ

笑えて少し哀しい、キンコを巡る物語。

野をゆくは魔女と景狼 / まるた曜子

まるたさんの魔女もの最新作。運命の人との出会いがつらくてつらくて。ケモノはいいぞ。

ポッケ / 凪野基

ちっちゃいサイズの本。ポケットに入れて持ち歩きたいちょっと不思議な本。

最果て食堂3 / 七歩

完結! 読めてよかった!!

アイテム

ステンレスカップ

頂きもの。冷たいものが! いつまでも冷たい! うれしい!

スープジャー

朝熱湯と生米を入れたらお昼ごはんにあったかいお粥が食べられる! 寒くない! パンと違って腹持ちもいい! 上蓋にスプーンを収納できるタイプなのでコンパクトにまとまってよし。

というわけで

2018年も素敵なものと出逢えますように!